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本当の幸せへの道は自分の姿を見つめること|罪悪観と無常観

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2019/06/04
 

シンガーソングライターの椎名林檎さんの最新アルバムのタイトルが『三毒史』でした。
このタイトルの「三毒」は仏教が由来になっているそうです。

仏教に説かれる罪悪観と無常観

「三毒」とは、欲・怒り・ねたみ、そねみという3つの煩悩を表しています。
煩悩は108あるのですが、その中でも特に代表的なものを挙げられているのです。

 

三毒については、こちらの記事でも取り上げています。

AIが人間になるための条件は煩悩|「仏教の三毒」とは?

 

なぜ「毒」と言われるのかについてはこちらの記事で解説しています。

欲の根底にある恐ろしい心とは?|誰の心にも潜む我利我利

 

このアルバムでは、煩悩をテーマに曲が製作されたそうですが、収録されている曲の歌詞には、「無常」や「諸行無常」という言葉も見受けられました。
ここには仏教に説かれる「罪悪観」と「無常観」が表れているように思います。

罪悪を作るとは?

罪悪とは、その字の通り罪や悪ということです。
お釈迦さまは、十悪と言って、具体的に悪いこととはどんなことかを挙げられています。

 

貪欲(とんよく)…欲の心
瞋恚(しんに)…怒りの心
愚痴(ぐち)…ねたみ・そねみ・うらみの心
綺語(きご)…お世辞を言うこと
両舌(りょうぜつ)…二枚舌
悪口(あっこう)…人の悪口を言うこと
妄語(もうご)…ウソをつくこと
殺生(せっしょう)…生き物の命を奪うこと
偸盗(ちゅうとう)…盗みをはたらくこと
邪淫(じゃいん)…邪な男女関係のこと

 

心で作る悪として挙げられている貪欲瞋恚愚痴は煩悩の中でも代表的な3つです。
私たちが口で何かを言ったり、身体で何かをする時には心が元になっています。
その心で悪いことを思っていれば、おのずと口や体にも表れるのです。
ですから、私たちは、煩悩によって罪悪を作っていると仏教では説かれています。

無常とは常が無く続かないこと

無常とは、常が無く続かないことです。
仏教には、「諸行無常」と言われ、すべてのものは永続しないと教えられています。

 

平家物語でも有名な諸行無常の言葉については、こちらの記事をご覧ください。

平家物語の冒頭で有名な諸行無常とは|一休和尚の幼い頃のとんち話

 

どんなものも、いつか必ず壊れるとき、自分から離れていくときがある。
中でも私たちにとって最大の無常は、自らの命ではないでしょうか。

 

私たちはいずれ必ず死んでいかなければなりませんが、今日明日死ぬとはとても思えません。
しかし実際には、今日明日死ぬとは思っていなかった人が毎日亡くなっています。
明日も生きていられるという保証はどこにもないのです。
そういう私たちの姿をありのままに説かれているのが仏教です。

「観」の字が使われる理由

罪悪観」とは、煩悩で悪を作っている自らの姿を見つめていくということ。
無常観」とは、必ず死んでいかなければならない自己の姿を見つめるということです。

 

「ざいあくかん」や「むじょうかん」と聞くと、一般的には「感じる」という字を使った「罪悪感」「無常感」を思い浮かべます。
しかし、仏教で説かれるのは罪悪や無常を「感じる」ということではなく「観る」という「罪悪観」「無常観」です。

 

仏教には、煩悩で罪悪を作っている姿、必ず死んでいかなければならない自己の姿がありのままに説かれています。
ですから、仏教を聞いていくことは、自分の思いや感情を抜きにして、ありのままの事実を見つめていくことなのです。

 

事実を見つめることは辛く、苦しいことかもしれませんが、そこから、「このままではいけない、本当の幸せを求めよう」という心も出てきます。

無常を観ずるは菩提心の一なり
(無常を観ずることは、本当の幸せになる第一歩である)

仏教を聞いて、幸せな道を進んで頂きたく思います。

 

こちらの記事では、ありのままに見るとはどういうことかを解説しています。

蓮如上人と一休和尚のとんち比べ|ありのままに見るとは|本当の私とは

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わか

静岡県の温暖な気候の中で育ちました。 学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々でした。 人間関係に悩み、自分の存在価値を探していたとき、知り合いの先輩に紹介され、ひょんなことから仏教を学ぶようになりました。元々自分の心は見つめていた方だと自負しているのですが、それよりももっと深い自分自身の心を教えられた仏教に感動し、それから続けて学んでいます。
 
   

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