法名とは何ですか?戒名とは何ですか?
よく亡くなった人に法名や戒名を付けるかどうか、付けるならばどのような法名・戒名を付けるかと悩まれる方があります。
無料でいくらでも付けられるならば「せっかくですから一つお願いします」と頼めばいいのですが、基本的にお金が伴うものですから安易に頼むことはできません。
そもそも法名や戒名とは何なのでしょうか。
付けるのと付けないのとでは、また法名や戒名が長い場合と短い場合とでは故人にどのような影響があるのでしょうか。
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(質問):法名・戒名とは何ですか?
(解答)
「法名」とも「戒名」とも言われますが、浄土真宗では「法名」といわれます。
「法名」とは死んだ人につける名前だと思われていますが、本来「法名」とは、真の仏弟子が生前、仏教の師匠から頂く名前のことを言います。
「真の仏弟子」とは、お釈迦さまの御心にかなうお弟子のことで、お釈迦さまの教えを聞かれて、本当の幸せになった人のことです。
このような人はお釈迦さまから「広大勝解者(こうだいしょうげしゃ:偉大な智恵者)だ」と褒められ、泥沼に咲きながら泥に染まらぬ芬陀利華(ふんだりけ:白い蓮華)のような人だと讃えられます。
誰しも褒められると悪い気はしません。子供に褒められてもうれしいです。
褒められると心が潤い励まされ、いつまでも忘れないものです。
フランスの文学者、ラ・ロシュフコーは、
「褒め言葉を一度、否定してみせるのは、そうすることで同じ褒め言葉が、もう一回聞かせてもらえるからだ」と言っています。
それほど褒めてもらいたいのが人間なのでしょう。
お釈迦さまから褒められる身になった自覚があれば大きな励みになり、生きる喜びをもって生きていくことができるのです。
お釈迦さまの親友になる
またお釈迦さまは、本当の幸せになった人のことを私の親しき友であると仰っています。
すなわち我が善き親友なり (大無量寿経)
「そなたは私の親しき友だ」と呼びかけられても、私たちは、
「お釈迦さまの親友だなんて、もったいない。せめてお弟子にさせていただきます」と、お名前の「釈」の一字を頂いて、「釈~~」(男性)、「釈尼~~」(女性)とつけるのが「法名」です。
法名をつけたから極楽へ往けるようになるのではありません。
法名とは、お釈迦さまの教えを聞いて、本当の幸せになった人が、仏教の先生より賜る名前なのです。
まとめ
戒名のことを浄土真宗では法名と言われます。
法名を付けたからといって極楽へ往けるのではありません。
法名は仏法を聞き、本当の幸せになった人に対してお釈迦さまから贈られる名前のことです。
お釈迦さまは本当の幸せになった人を「私の親友だ」と仰っていますが、それではもったいないということで、お釈迦さまの「釈」の字を頂いて付けられます。
法名をご縁として、お釈迦さまは何を教えられた方なのか、お釈迦さまの言われる『本当の幸せ』とは何のことなのか、知ることができれば素晴らしいご縁となりましょう。
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