カレンダーの「仏滅」は仏教と関係があるのでしょうか。
みなさんはカレンダーに大安とか仏滅と書かれているのを見たことがあるでしょうか。
日本のたいていのカレンダーには先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の六曜が書かれています。
意味はよくわからずとも「仏滅」と書いているため仏教と関係があるように思う方が多いようです。
しかし実際は仏滅と仏教とは何の関係もありません。
ではなぜカレンダーに「仏滅」と書かれているのでしょうか。
(質問):カレンダーを見ると「仏滅」と書いてありますが、仏教と関係があるのでしょうか
(解答)
カレンダーを見ますと、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口が書いてあるものが多いです。
六つありますので、これを六曜といいます。
その中の仏滅とは「仏も滅するような大凶日」という意味です。
六曜の中で最も凶の日とされ、婚礼などの祝儀の日は避ける人が今でも少なくありません。
事実、この日に結婚式を挙げる人は少ないそうで、仏滅には料金の割引を行う結婚式場もあります。
仏滅は、仏という字がありますので、仏教と関係あるように思いますが、実は仏教とは何の関係もありません。
「仏滅」は元々は「物滅」と呼ばれていたのですが、近年になって、より悪い日であることを強調して、「仏が滅するほどの大凶日」を表す「仏滅」に変化していき、今の形に定着しました。
しかし仏教では「この日はいい日だ」「この日は悪い日だ」と、日そのものに善悪を決めません。
お釈迦様はお経の中にこのように仰っています。
如来の法の中に吉日・良辰(きちにち・りょうしん)を選ぶこと無し。(涅槃経)
(意訳)
仏の教えに、日の善悪を選ぶことはない。
私たちの運命は、日によって決まっているのではなく、一人一人の行いによって決まると教えられるのが仏教です。この教えを因果の道理といいます。
因果の道理
お釈迦さまはよい行いをすればよい運命、悪い行いをすれば悪い運命が現れる、よいのも悪いのも、自分に現れる結果のすべては、自業自得、自分の行いによって生み出されたものですよと、教えられています。
ですから、悪い行いをやめ、よい行いに励めば、毎日がよい運命が来る良い日となりますので「日々是好日」といわれます。
「日々是れ好日(ひびこれこうじつ)なり」と読み、心掛けがよければ毎日がよい日になるということです。
因果の道理について、詳しく知りたい方はこちら
→ 因果の道理(因果応報)とは?
親鸞聖人は、このお釈迦さまの教えを徹底して明らかにされました。
かなしきかなや道俗(どうぞく)の
良時吉日(りょうじきちじつ)えらばしめ
天神地祇(てんじんちぎ)をあがめつつ
卜占祭祀(ぼくせんさいし)つとめとす
(悲歎述懐和讃)
(意訳)
悲しいことよ。僧侶も在家の者も、日の善し悪しを論じ、天地の神を崇め、占いや祭りごとをやっている。
日々の生活の中で、悪い行いをやめ、よい行いに励むように心がけていくことが大事ですよと、親鸞聖人は、教えられているのです。
まとめ
仏滅は仏教とは関係なく、元は「物滅」と言われていたものが「仏滅」と書かれるようになったものです。
仏教では「『この日は善い日だ』『この日は悪い日だ』のような日の善悪はない」と教えられます。
本当の仏教を明らかにされた親鸞聖人も日の善し悪しを戒めています。
親鸞聖人の教えを後世、多くの人に伝えられた蓮如上人にも、このような話が残されています。
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