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弥勒菩薩とよく聞くけれど、弥勒菩薩とは?|「弥勒お先ご免」とは?

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2019/04/09
 
弥勒菩薩

「京都観光Navi:広隆寺」より

よく仏教弥勒菩薩という菩薩が出てきます。

お寺に弥勒菩薩像が安置されていたり、地域によっては弥勒菩薩が信仰されていますので「弥勒」という難しい漢字ながら「ミロク」と読める人は多いでしょう。
 
その弥勒菩薩とはどのような方で、なぜこんなに有名なのでしょうか。
弥勒菩薩とはどのような菩薩かについて解説します。

(質問):弥勒菩薩の像は有名ですが、弥勒菩薩とはどんな菩薩でしょうか

(解答)

弥勒菩薩といえば、京都の広隆寺の弥勒菩薩像(木像)は特によく知られていて、国宝に指定されています。
それが上の写真です。「弥勒菩薩半跏思惟像」(みろくぼさつはんかしゆいぞう)と言います。
 
弥勒菩薩とは、あと一段で仏のさとりという等覚(とうかく)のさとりを得ている菩薩のことです。
菩薩とは、仏のさとりを得ようと努力している人です。
 
一口にさとりと言いましても、低いさとりから高いさとりまで、全部で52の位があり、これをさとりの52位といわれます。
 
その52ある中の最高のさとりを「仏覚(仏のさとり)」と言い、またはこれより上が無いので「無上覚(むじょうかく)」とも言います。
 
等覚(とうかく)」とは51段目のさとりをいいます。あと一段で仏ですから、ものすごい位です。
 
さとりを得るのは簡単なことではありません。
面壁(めんぺき)九年と言われ、壁に向かって九年間座禅し続け、ついには手足が腐ってしまった達磨大師(だるまだいし)もさとりの52位の中の30段そこそこであったといわれます。
 
「頭のよいことにかけては、この人の右に出る者はない」と、親鸞聖人がおっしゃる中国の天台(てんだい)も、臨終に弟子から「師はどれほどさとられましたか」と聞かれ、「9段目までであった」と告白しています。
 
51段までさとった弥勒菩薩が、いかに優れた菩薩か、お分かりになると思います。
今日も、弥勒信仰といって、弥勒に助けてもらおうと朝晩手を合わせ、給仕している人も少なくありません。
 
その弥勒菩薩が、あと一段上って仏のさとりを開くまでには56億7000万年かかると、お釈迦さまはいろいろなお経に説かれています。
 
なお、経典「慈氏菩薩(じしぼさつ)」とありましたら、弥勒菩薩のことです。「弥勒」の語源が「慈しみ」を語源とするためです。

 

弥勒菩薩の「菩薩」と「如来」とは、同じなのか、違うのか。知りたい方はこちらへ
→ 如来と菩薩はどちらが偉いの?

弥勒菩薩より幸せになれる道とは?

以下は深く知りたい方のみご覧ください。

親鸞聖人は、弥勒菩薩より幸せになれる道があるのだよ、と教えられています。

真に知んぬ。弥勒大士は、等覚の金剛心を窮むるが故に、龍華三会の暁、当に無上覚位を極むべし。念仏の衆生は、横超の金剛心を窮むるが故に、臨終一念の夕、大般涅槃を超証す (教行信証)
 
(意訳)
本当にそうだったなあ!あの弥勒菩薩と、今、同格になれたのだ。全く弥陀の誓願不思議としかいいようがない。しかも、弥勒菩薩は56億7000年後でなければ、仏のさとりが得られぬというのに、親鸞は、今生終わると同時に浄土へ往って仏のさとりが得られるのだ。

 

真に知んぬ」とは、明らかに知らされたということです。
何がハッキリ知らされたと仰っているのでしょうか。
 
弥勒大士(みろくだいじ)」とは、弥勒菩薩のことです。
弥勒菩薩は、51段(等覚)のさとりを開いていることを、

「弥勒大士は、等覚の金剛心を窮むるが故に」

と言われています。
 
弥勒菩薩は大変優れた菩薩として有名で、世間には「弥勒様に助けてもらおう」と、手を合わせている“弥勒信仰”も少なくありません。
 
ところが、その弥勒菩薩でさえ、あと一段のぼって「仏覚」を開くまでには56億7000万年かかると、お釈迦様が説かれていることを「龍華三会の暁、当に無上覚位を極むべし」と言われています。
 
「龍華三会の暁(りゅうげさんえのあかつき)」とは、56億7000万年後のこと。
「無上覚位(むじょうかくい)」とは、仏覚のことです。
菩薩の最高位である弥勒菩薩でも仏覚を開くまでには、気の遠くなる長期間かかることを示されています。

 

「念仏の衆生は、横超の金剛心を窮むるが故に、臨終一念の夕、大般涅槃を超証す」

念仏の衆生」とは、阿弥陀仏の本願を聞いて、本当の幸せになった人のことであり、親鸞聖人御自身のことでもあります。

「横超の金剛心(おうちょうのこんごうしん)を窮むる」とは、弥勒菩薩と同格の菩薩になったことをいいます。

弥勒菩薩と肩を並べる身になったことだけでも驚きですが、親鸞聖人はさらに、56億7000万年後でなければ仏覚に到達できぬ弥勒菩薩を尻目に、念仏者の親鸞は、この世の命終わると同時に無上覚(仏のさとり)を超証するのだ、と宣言なされています。

このことを和讃(わさん)では次のように仰っています。

真実信心うるゆえにすなわち定聚(じょうじゅ)にいりぬれば
補処(ふしょ)の弥勒におなじくて無上覚をさとるなり

 
(意訳)
阿弥陀仏の本願に救われ、本当の幸せになった人は、弥勒菩薩と同格になる。

そのうえ、死ねば必ず浄土へ往って「弥勒お先ご免」と弥勒菩薩より先に仏のさとり(無上覚)を開くのだ。

これほどの幸せがあろうか。

 

*補処(ふしょ)……あと一段で仏のさとりを開く、51段目の高い悟り

 

親鸞聖人は等覚の弥勒菩薩と比較されて、阿弥陀仏の本願に救われた幸せがいかにすごいか訴えられ、「早くこの親鸞と、同じ幸せな身になってくれよ」と念じておられるのです。

まとめ

弥勒菩薩は仏のさとりの一段前の51段のさとりまでさとった菩薩です。

弥勒菩薩が仏のさとりをひらくのは56億7千万年後と言われています。
 
しかし親鸞聖人は、阿弥陀仏の本願に救われた人はこの世では弥勒菩薩と同格になり、死ねば弥勒菩薩より先に仏のさとりを開けるのだとと、弥勒菩薩を引き合いに出されて、阿弥陀仏の本願のすごさを教えられています。
 

阿弥陀仏の本願に救われた幸せを親鸞聖人は教行信証の冒頭に教えられています。

親鸞聖人の主著、国宝『教行信証』

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間100回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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