浄土真宗のお彼岸とは
(質問):お彼岸とは何でしょうか。
(解答)
お彼岸とは、3月の「春分の日」と9月「秋分の日」の前後3日間の計7日間をいいます。
それぞれの初日を「彼岸入り」、終わり日を「彼岸明け」といいます。春分の日、秋分の日が「中日」です。
親鸞聖人が尊敬されている善導大師(ぜんどうだいし)の有名な譬え話に、二河白道(にがびゃくどう)の譬え話があります。
その譬え話では、右側の水の河と左側の火の河の二つの河があり、その河をはさんで、こちらの岸と向こう岸があります。
そして、こちらの岸と向こう岸を渡すように水と火の河の間に細い白い道が伸びています。
こちらの岸が私たちの生きている世界、向こう岸が極楽に例えられています。
こちらの岸を此岸(しがん)、向こう岸を彼岸(ひがん)といいます。
彼岸とは、極楽のことをいいます。
仏教では、極楽は、西方にあると阿弥陀経というお経の中で教えられています。
これより西の方、十万億の仏土を過ぎて世界有り、名けて極楽という。(阿弥陀経)
「彼岸」は西にあるので西岸ともいい、「此岸」は東にあるので東岸ともいわれます。
3月の春分の日と9月の秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。
その日に、西方の極楽におられる阿弥陀仏を礼拝するのにふさわしいという考えから、次第に、極楽をしのぶ日、また、先祖をしのぶ日として、定着していったといわれます。
彼岸は「パーラミター(波羅蜜 ばらみつ)」という昔のインドの言葉からできた言葉です。
今日は、寺院で、先祖供養すると同時に「六波羅蜜(ろっぱらみつ)」の教えを学ぶ行事になっています。
「六波羅蜜」とは「六度万行(ろくどまんぎょう)」ともいいます。
「六波羅蜜」「六度万行」とは、布施(ふせ) 持戒(じかい) 忍辱(にんにく) 精進(しょうじん) 禅定(ぜんじょう) 智恵(ちえ) の六つの善い行いのことです。
(現代の言葉)
1.布施 = 親切
2.持戒 = 言行一致
3.忍辱 = 忍耐
4.精進 = 努力
5.禅定 = 反省
6.智恵 = 修養
彼岸は、先祖供養の日であると同時に、「六波羅蜜」の教えを学び、実行する日といたしましょう。
「六波羅蜜」「六度万行」について、もう少し詳しく知りたい方はこちらへ
彼岸について、もう少し詳しく知りたい方はこちらへ
最新記事 by あさだ よしあき (全て見る)
- 「南無阿弥陀仏」って何だろう?|念仏についての6つの疑問(後) - 2024年11月18日
- 「南無阿弥陀仏」って何だろう?|念仏についての6つの疑問(前) - 2024年10月21日
-
親鸞聖人が教える
お盆に思い出す亡くなった人に今からできる恩返しとは(後) - 2024年10月15日
次の記事
浄土真宗とお盆とは