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「他力本願」の誤解と本当の意味|「他人まかせ」は正しい意味か

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カテゴリー:1から分かる浄土真宗 タグ: 更新日:2019/09/25
 

他力本願
よく「他人任せにするな」という意味で「他力本願ではダメだ」と使われることがあります。
そのため「他力本願」という言葉は、他人任せにするという意味だと思われています。
 
しかし他人任せにするという意味は本来の他力本願の言葉にはなく、それどころかやる気のない他者依存とは無縁の仏さまの言葉が「他力本願」です。
 
本当の他力本願の意味を解説します。

(質問):「他力本願」という言葉をよく聞きますが、「他力」とは、他人まかせのことですか?

(解答)

「他力」とは、他人の力を略して「他力」と言うのだと思っている方が多いと思います。
また、自然の恵みに感謝する時に他力と使われることがあります。

 

実は「他力」の語源は、仏教にあるのです。

仏教で「他力」とはどんな意味かわかりますと、他力本願の意味もわかります。
 
では、仏教で他力とはどんな意味なのでしょうか。
このような言葉があります。

「他力」と言うは如来の本願力なり。(親鸞聖人)

如来とは、ここでは阿弥陀如来のことです。

如来の本願力とは、阿弥陀如来の本願力のことで、これを「他力」とも「本願他力」とも「他力本願」ともいいます。

他力 = 阿弥陀如来の本願力

それがだんだんと意味合いが変わっていき、今日では他人に依存することを他力本願と言われるようになりました。

 
他力本願について、詳しく知りたい方はこちらへ
→ ホントは強いぞ他力本願|どんなトラブルにも“折れない心”になる

(質問):阿弥陀如来の本願力とは、どんなお力ですか?

(解答)
他力=阿弥陀如来の本願力ならば、阿弥陀如来の本願力とはどういうことなのでしょう。
 
阿弥陀如来について、お知りになりたい方はこちらへ
→ お釈迦さまと阿弥陀仏は、同じ仏さまですか?

 

本願力とは、本願の力ということです。
本願とは、本当の願い、願望をいいます。
 
人それぞれ、いろいろな願いをもって生きています。
志望校に入りたい、あの会社に入社したい、あの人と付き合いたい、結婚願望、あの場所に一度行ってみたい、マイホームが欲しい、どうしてもあれが欲しい…

何かあると願掛けする人も多いです。
 
「今年一年健康でありますように」
「今年こそ夢がかないますように」
 
色々な願いがある中で本当の願いは何ですかと言われれば、他のことができなくてもこれ一つ叶えばいい、一番大事な願いをいいます。

私たちの願いを振り返ってみますと、自分のことや、自分の家族のことばかりではないでしょうか。
そんな中、社会のため、国のためにと多くの人の幸せを願い、自分のことを後回しにして力を尽くしている方を見ますと素晴らしい願いだなと感心します。

では仏さまはどんな本願、願いをもっていらっしゃるのでしょうか。

仏さまの願いは「破闇満願」

仏さまの願いとはすべての人を本当の幸せにしたいという願いです。
その願いに生き抜かれる方が仏さまで、仏さまの中の王様の仏が阿弥陀如来です。
 
では、すべての人を本当の幸せにしたいと願われる、阿弥陀如来の本願の力とはどんなお力でしょうか。
親鸞聖人はこのように仰っています。

無明長夜の闇(むみょうちょうやのやみ)を破(は)し
衆生の志願(しゅじょうのしがん)を満てたまう(親鸞聖人)

『無明長夜の闇を破し』

無明長夜の闇とは、無明の闇のことです。

無明の闇を破り、

 

『衆生の志願を満てたまう』

願いを満たすということで、

これを略して、「破闇満願(はあんまんがん)」といわれます。

阿弥陀如来の本願力 = 破闇満願

無明の闇(むみょうのやみ)」とは、私たちの心にある、暗い心のことです。

 

現在の日本は昔に比べて生活は大変便利になりました。
世界の中でも物質面で非常に恵まれています。
しかし、自殺者は毎年2万人を超え、将来に不安を抱えている人がたくさんいます。
物やお金に恵まれても、心から満足できないのはどうしてか。
 
それは無明の闇という暗い心があるからだと教えられています。
どんなに大好きな料理であっても、病気にかかっていてはおいしく食べることはできません。
反対に健康で空腹であれば、どんな食事でもおいしく食べられます。
どんなに物やお金に恵まれても心は無明の闇という暗い心で、心が病気にかかっているから、心から満足することができないのです。
 
この暗い心がなくなり(無明長夜の闇を破し)
本当の幸せになった(衆生の志願を満てたまう)
ことを破闇満願(はあんまんがん)といいます。
 
この破闇満願させる力が、阿弥陀如来の本願力であり、「他力」「他力本願」「本願他力」というのです

親鸞聖人は、主著『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』の冒頭に

難思の弘誓(なんしのぐぜい)は難度の海(なんどのうみ)を度(ど)する大船
無碍の光明(むげのこうみょう)は無明の闇(むみょうのやみ)を破(は)する慧日(えにち)なり

と書かれ、無明の闇がなくなった本当の幸せとは、どんな幸せか、詳しく教えられています。

まとめ

他力本願とは人任せにする、という意味で使われていますが、語源は仏教にあります。

仏教で言われる他力本願とは、阿弥陀如来の本願力のことを言います。

阿弥陀如来の本願力とは、すべての人が持っている暗い心=無明の闇を破り、心からの満足、幸福を与えるお力です。

親鸞聖人はこのことを、主著『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』の冒頭に
 
「難思の弘誓(なんしのぐぜい)は難度の海(なんどのうみ)を度(ど)する大船。無碍の光明(むげのこうみょう)は無明の闇(むみょうのやみ)を破(は)する慧日(えにち)なり」
 
と書かれています。

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あさだ よしあき

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