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お盆に墓参りだけでいいの?今からできる恩返しの方法とは

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カテゴリー:なるほど親鸞聖人 タグ: 更新日:2018/10/06
 

お盆の季節といえば、「お墓参り」ですね。
亡き親や先祖をしのび墓前にぬかずいて心静かに手を合わせる。

ところがそんな光景も昨今は変わってきました。

墓参りを代行業者に依頼する人や、墓を処分してしまう「墓じまい」をする人も増えています。
さらに遺骨を宅配便などで業者に送って納骨する“サービス”も登場しています。

ライフスタイルの変化とはいえ、こうした仏事の簡略化に戸惑いを覚える人も少なくないでしょう。
大切な人の死とどう向き合えばいいのか、本来の仏事の在り方について、お釈迦さまはどのように教えられているのでしょうか

イマドキのお墓参り事情

「帰省ラッシュを避けたい」
「遠くまで出掛ける時間がない」

そんな声から登場してきたのが「墓参り」の代行業です。
依頼した業者からは、墓を丁寧に掃除し生花を供えた写真が送られてきます。

自治体の中には、この「墓参り代行」を「ふるさと納税」の返礼の一つに加えているところも少なくありません。

また、墓の管理が難しくなり、墓を処分してしまう「墓じまい」が増える一方で、スマートフォンで墓参りのできるサービスも現れました。

あらかじめ登録した故人との思い出の場所などでスマートフォンをかざすと、画面に遺影が現れ、その画像を墓代わりに手を合わせて故人をしのぶことになります。

さらに、遺骨を処理業者に宅配便などで送って納骨する「送骨」や、業者が遺骨を引き取りに来る「迎骨」といったサービスもあります。

こうしたビジネスが広がる背景には、形骸化した「仏事」に対する、次のような疑問や不満があるのではないでしょうか。

「お経を聞いても意味はチンプンカンプン。これで本当に死んだ両親が喜んでくれるのだろうか?」
「貴重な時間やお金をかける価値があるのか?」
「でも仏事なしでは、心の整理がつかないし……」

などです。

では、何をすることが真の供養となるのか?
自分の心の整理をつけるにはどうすればいいのか?

仏教ではどう教えられているのでしょうか。

親が子に望むことは?

亡き親や先祖のことを考えた時、まず大切なのは、親や先祖が、私に望んでいることは何か、ということでしょう。
それによって供養は変わってくるからです。

親が子に望むことといえば、「いい学校に入り、いい会社に入って出世してほしい」「結婚して温かい家庭を築いてほしい」「とにかく健康でいてほしい」など様々に浮かんできます。

しかし、煎じ詰めれば、「子供たちよ、正しく生き、真の幸福になってもらいたい」。
これに尽きるのではないでしょうか。ならばこの願いに応えてこそ、親や先祖の恩に報いることになるでしょう。

幸福に2とおり

では、私たちが〈真の幸福になる〉ためには、どうすればよいでしょうか。この答えを明らかになされたのが、2600年前、インドで活躍なされたお釈迦さまなのです。

お釈迦さまは、幸福について、「相対の幸福」と「絶対の幸福」の2とおりあると教えられています。

相対の幸福とは

相対の幸福とは、例えば、好きな人と結婚できた喜びとか、マイホームを手にした満足など、金や地位、名誉、健康などによって得られる喜び、満足。つまりは日々、私たちが求めているものです。

ただ、これらの幸せに共通するのは、「続かない」ということです。
やがては色あせ崩壊し、悲しみや苦しみに転じてしまいます。
かりにしばらく続いたとしても、全て失う時が来ます。
それは、人生の終末です。

天下を統一したあの豊臣秀吉も臨終には、
「露とおち 露と消えにし 我が身かな 難波のことも 夢のまた夢」
という辞世を残しています。

太閤の栄華でさえ、露のようにはかないものだった、という嘆きです。
こんな、今日あって明日なき無常の幸福は、真の幸福とはいえません。

絶対の幸福とは

では、絶対の幸福とは何でしょう。
これは仏教にしか教えられていない幸福です。

絶対とは無上、最高不二のことであり、どんな事態が起きても決して壊れない安心、満足、喜びのことです。

最悪の”死”に直面しても変わらぬ安心、満足なので、他の障害によって動乱することは毛頭ありません。

誰もが「人間に生まれてきてよかった」という生命の歓喜を味わえますから、絶対の幸福こそ、私たちが求める真の幸福といえるのです。お釈迦さまはそれを次のように仰っています。

「人身受け難し、今已に受く。仏法聞き難し、今已に聞く。この身今生に向って度せずんば、さらにいずれの生に向ってか、この身を度せん」

(意訳)
生まれ難い人間に生まれてきてよかった。聞き難い仏法を聞くことができてよかった。今生でこの幸福になれなければ、一体いつなれるというのであろう。絶対の幸福になるチャンスは、今しかないのだ。

親や先祖が最も喜ぶ幸福は

仏法を聞き、絶対の幸福になったなら、どんな人も人間に生まれてきたことを心から喜ばずにおれなくなり、生んで育ててくだされた親や先祖に、心より感謝せずにいられなくなります。

それが亡き親や先祖の最も喜ぶことであり、その先祖のご恩に報いたことになるのです。

仏法を聞かなければ、絶対の幸福にはなれませんから、「お盆」には、家族・親戚が集まって先祖の恩をしのび、ともに仏法を聞くことが大切なのです。

それはお盆に限らず、葬儀や法事など仏事全般についてもいえることです。

絶対の幸福はどうすればなれるのか

私たちは最後、死ななければならないのに、死んだらどうなるか分からない

これを飛行機で例えるなら、燃料が切れたというのに、降りる所が分からないようなものです。
太平洋の上空1万メートルを飛行中、機長から「皆様、当機はもう燃料がありませんので、これ以上飛び続けることはできません。しかしこの辺りは、見たところ着陸できる所はどこにもございません」と言われたらどうでしょう。

「それでは皆さん、墜落するまで映画を見て最後の旅をお楽しみください。お食事も全部出しますから、好きなだけお召し上がりください」と出血大サービスしてもらっても、機内映画を見る気も起きないし、機内食を食べるどころではないでしょう。

人生をこのような飛んでいる飛行機に例えるなら、機内食や映画はお金や財産、地位、名誉などに当たり、相対の幸福のことで、死に直面すると、全てひび割れ、光を失ってしまうのです。

降りる所が分からない飛行機は、燃料がまだ残っていても、結局墜落することに変わりない。

燃料は刻々と減っていき、しかも残量がどれだけかは全く分からないから、安全な着陸場所が見つからない限り、常にお先真っ暗です。

それと同じように、どんな人でも死は100パーセント確実で、私たちも毎日死に近づいています。

その100パーセントの未来がどうなるか分からなければ、人生は全く安心できません

現在が明るいか暗いかは、未来が明るいか暗いかによって変わる。
未来が明るければ、現在も明るくなる。未来が暗ければ、現在も暗くなる。

死ぬのは避けられない以上、死んだらどうなるか分からない真っ暗なままでは、現在を明るく生きることはできないのです。
私たちにとって、死んだらどうなるか分からないこと以上の大問題はありません
こんな一大事はありませんから、仏教ではこれを「生死の一大事」とか「後生の一大事」といわれます。

どんなにお金や財産、地位、名誉などの相対の幸福に恵まれても、心からの安心も満足もないのは、この後生の一大事があるからなのです。

ほとんどの人は気がついていませんが、人生が底知れない不安に覆われているのは、根本に一大事があるからです。
逆に、この一大事さえ解決できれば、どんな人も、人生を底抜けに楽しめるようになります。

飛行機でいえば、いつ燃料が切れても100パーセント安全に降りられる大空港を見つけたようなもの。
そうなれば、今、心の底から安心して機内食や映画を楽しめる。
大安心・大満足の絶対の幸福になれるのです。
この後生の一大事を解決し、絶対の幸福になる道を開示されたのが、実にお釈迦さまの説かれた仏教なのです。

 

お釈迦さまが説かれた絶対の幸福|底抜けに明るい心の長者になれる

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間100回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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