灯明(とうみょう)・仏花(ぶっか)の意味
お仏壇には向かって左側にお仏花が、右側にお灯明が置かれてあることが多いです。
最近のお灯明は電気の光のことが多いですが、昔はろうそくに火を灯していました。
ろうそくの火ではなく、電気の光をお灯明としていいのでしょうか。
また、お墓にもお花をお供えすることがありますが、お墓にお供えする花とお仏壇にお供えする花には違いがあるのでしょうか。
お灯明とお仏花について解説します。
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(質問):お仏壇の灯明(とうみょう)やお仏花(ぶっか)には何か意味があるのでしょうか?
(解答)
「灯明(とうみょう)」とは、お仏壇に灯す明かりをいい、阿弥陀仏の計り知れない「光明」を表しています。光明とは智恵ともいい、仏さまのお力をいいます。
「仏花」は、仏さまにお供えする花のことで、阿弥陀仏の「慈悲」を表します。
仏さまは、智恵と慈悲の両面もたれた方と教えられます。
その仏さまの智恵を「灯明(とうみょう)」で表し、慈悲を「仏花」で表しているのです。
智恵とは、私たちの先の見えない暗い心(仏教では「無明の闇」という)を
明るい心にする働きがあります。
慈悲とは仏教で「抜苦与楽(ばっくよらく)」といいます。
慈=抜苦 悲=与楽
苦しんでいる人がいたら放っておけない、苦しみをなくしてやりたい心が慈悲の「慈」、楽しんでもらいたい、幸せにしたい心が慈悲の「悲」です。
親の慈悲といえば、親の子供に対する抜苦与楽の心をいいます。
仏さまの慈悲を「大慈悲」といい、人間の慈悲を「小慈悲」といわれます。
どうして人間の慈悲を小さな慈悲、「小慈悲」といわれるのでしょうか。
人間の慈悲には3つの特徴があるからです。
1.気持ちが続かずやがては薄らいでしまう
2.すべての人に平等ではなく限定的
3.よかれと思ってやったことがかえって相手を苦しめることがある
それに対して、仏さまの慈悲は、
1.変わることがない
2.すべての人に平等にかかる
3.智恵に裏付けられているので、相手を苦しめることがない
この仏さまの慈悲を「大慈悲」といい、「仏花」で表しているのです。
お灯明は智慧を表すものですから、ろうそくの火でなければならないということはありません。
またお仏花はお墓のように亡くなった方のために供えるものではなく、仏様の慈悲を表していますからお墓のお花とお仏花とは違うものです。
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