欽ちゃんが仏教を学ぶ理由|お笑いと仏教との関係は?
6月5日に欽ちゃんこと萩本欽一さんが駒澤大学仏教学部を自主退学したと報道されました。
その報道を聞いて、欽ちゃんが大学生だったことを知った人も多いと思います。
もう80歳近い萩本欽一さんですが、なぜ大学生になり、なぜ仏教を学んでいたのでしょうか。
仏教を学ぶ理由
萩本欽一さんが入学したのは2015年です。
1回留年したので卒業は2019年度の予定でした。
留年したのは試験でいい点が取れなかったからではなく、「真面目で勉強ができる学生では、先生は安心しちゃって真剣に向き合ってくれないから」ということで授業はきちんと受けましたが、わざと試験を受けずに単位を取らなかったためです。
それほど真面目に勉強していた萩本欽一さんですが、実は受験するまで仏教については特に関心がなかったそうです。
萩本欽一さんが仏教学部を目指したいきさつは、「認知症予防のために勉強しよう。せっかく勉強するんだから大学受験をして大学生になろう」と思い立ち、ではどこの大学のどこの学部を受けようか考えたときに思い出したのは、かねてから親交があるプロ野球DeNAの中畑清監督の母校である駒澤大学のことと、以前ニッポン放送チャリティー番組『ミュージックソン』に出演したときのことでした。
その番組内で萩本欽一さんは、それまでやってきた『アッハッハ』という笑いではない、『幸せ』という気持ちだけで『笑う』という”笑いの形”があることを感じて、自分の知らない別の”笑い”を学びたいと思い、「仏教」といったら「仏さまの教え」、仏さまの教えなら何かいいことを言われているのかもしれないと考えて、駒澤大学の仏教学部を受けることになりました。
願書を提出しに行ったとき、「推薦入学という方法もありますよ」と勧められましたが「挑戦をしたい」と断り、社会人入試(小論文、英語、面接)を受けて合格し、晴れて駒澤大学生になりました。
卒論のテーマは「笑いと仏教」にする予定でしたが、いつまでも大学生をしているとお笑いに頭が切り替わらなくなるからと今回自主退学をしました。
欽ちゃんの好きな仏教の言葉
大学で仏教を学んだ萩本欽一さんの好きな仏教の言葉の一つが『自未得度先度他(じみとくどせんどた)』です。
これは『大般涅槃経』巻三十八に出てくる言葉で、「自ら未だ度ることを得ざる先に他を度す」と読みます。
いわゆる自利利他のことです。
「自利」とは自分の利益、「利他」とは他人の利益のこと、「自利利他」とは「自分以外の人を幸せにするままが、自分が恵まれること」です。
その反対が「我利我利」で、「自分さえ良ければいい、他人のことなんてどうだっていい」という考え方です。
お釈迦様は「我利我利」では他人が不幸になるばかりでなく、自分も不幸になりますよ。
他人も自分も幸せになる「自利利他」を心がけなさい。
自利利他は仏教の根幹である因果の道理から教えられています。
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