「ごちそうさま」は「韋駄天さま」|「韋駄天」ってどんな人?
2019年の大河ドラマは東京オリンピックを題材とした「いだてん~東京オリムピック噺~」が1月6日から始まり、戦国時代と幕末が多かった大河ドラマに新たな風が吹き込みました。
このタイトルに入っている「いだてん」=「韋駄天」について、NHKのバラエティ番組「チコちゃんに叱られる!」の中で話題になっていました。
番組には「いだてん」のキャストがゲストとして出演し、「『ごちそうさま』って何?」「『ごちそうさま』の『さま』はなに様?」と番組キャラクターのチコちゃんが聞くと、出演者は答えられず「『ごちそうさま』は『韋駄天さま』!」というのを聞いて「ここで”いだてん”が出てくるとは思わなかった」と話していました。
ではなぜ「『ごちそうさま』が『韋駄天さま』」になるのでしょうか。
そもそも「韋駄天」とは何者なのでしょうか。
韋駄天って何者?
お釈迦様が亡くなられたときの様子が書かれたお経『涅槃経』によりますと、お釈迦様が亡くなられたとき、帝釈天という仏教を守護する神がお釈迦様のご遺体から歯を取り出し、仏塔を立てて供養しようとしたところ、捷疾鬼(しょうしつき)という名前の鬼神が現れて、その歯を盗んで逃げてしまいました。
『涅槃経』にはそこまでしか書かれていませんが、そのとき韋駄天が鬼を八万四千由旬(1由旬・ゆじゅん=40里≒16.560kmなので八万四千由旬は約140万km)追いかけて歯を取り返したという俗説があり、そこから韋駄天は足が速い神、盗難防止の神として知られるようになり、この話が元となってから足が速い人を「韋駄天走り」とか、そのまま「韋駄天」と言われるようになりました。
「ごちそうさま」と「韋駄天」の関係は?
その「韋駄天」と「ごちそうさま」との関係ですが、「ごちそうさま」を漢字で書くと「御馳走さま」となります。「馳走」とは「馳」は馬が背をうねらせている様子から生まれた象形文字で「速く走る」という意味、「走」は「走る」という意味ですから、「馳走」は「速く走る、駆け回る」という意味です。
韋駄天にはお釈迦様のために(あるいは仏道修行者のために)方々を駆け巡って食物を集めたという話があり、そこから転じて、食事を用意してくださった人に「韋駄天のように馳走して食事を用意してくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを込めて、「御馳走さま」=「ごちそうさま」という言葉が生まれたのです。
ですから「御馳走(ごちそう)」と言った場合は、ただ食べ物のみを指すのではなく、その食べ物を作るための努力も含めて「御馳走」と言うのです。
こちらの記事では説明動画も紹介しています。
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