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イチロー選手の引退会見に見る「有無同然」|幸せになれない根本原因とは?

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2019/03/28
 

日本人の誰もが知っているといっても過言ではない野球界のスター、イチロー選手が引退を発表しました。
日本はもちろん、メジャーでも評価され多くの人に愛されたイチロー選手。
引退を発表した日の夜に行われた会見には、深夜の開始にもかかわらず、100名以上の報道陣が集まったそうです。

イチロー選手がプロ野球で感じたこと

会見では記者からの様々な質問に答えられていました。
その中でも印象的だったのは、記者からの「ケン・グリフィー・ジュニアは『肩の力を抜いた時、違う野球が見えてまた楽しくなる』と話していました。そういう瞬間はありましたか?」という質問への答えです。

イチロー選手は「ないです」と断言していました。
子どものころからの夢であったプロ野球選手になって、レギュラーを目指して頑張っている時は結構楽しかった。
しかし、楽しかったのは初めてレギュラーで使ってもらった年までだった、と語っています。

「あとはなんかね、その頃から急に番付あげられちゃって一気に。それはしんどかったです。

やっぱり、力以上の評価をされるというのはとても苦しいですよね。

 

だからそこから、純粋に楽しいということは…。

やりがいがあって、達成感を味わうこと、満足感を味わうことはたくさんありました。
ただ、楽しいかと言うとそれとは違うんですよね。

でも、そういう時間を過ごしてきて、将来はまた楽しい野球がやりたいなというふうに」

そして、イチロー選手は「ある時から、プロではない野球を夢見ている自分がいた」と語り、これからは草野球を楽しんでみたいと話していました。
野球を極めたイチロー選手の言葉だからこそ、重みが違いますね。

一流の人が語る幸せ

パナソニックの創始者である松下幸之助さんにも同じようなエピソードがあります。
あるインタビューで「今までで一番幸せだったときは?」と聞かれた時、松下さんは「妻と2人、四畳半の部屋で二股ソケットを作っている時が一番幸せだった」と答えたそうです。

イチロー選手も、松下さんも、その道の一流の人ですから、あこがれている人はたくさんいるでしょう。
皆が一生懸命目指しているところにたどり着いた人たちなのに、どちらも成功した後の生活には幸せを感じていないようです。
過去を振り返り、今よりも以前の方が楽しかったと述懐しています。

では、楽しかったと語るその時代に戻れば本当に幸せなのでしょうか。
その時代はその時代で、様々な苦労や不満があったでしょうから、戻ったからといって幸せにはなれないでしょう。
望むものが得られなくて苦しんでいる人も、望んだものを手に入れた人も、同じように悩みを抱えているようです。

お釈迦さまが説かれた「有無同然」

お釈迦さまは、そのことを「有無同然(うむどうぜん)」と言われ、『大無量寿経』に次のように説かれています。

田なければ、また憂いて、田あらんことを欲し、

宅なければ、また憂いて、宅あらんことを欲す。
田あれば田を憂え、宅あれば宅を憂う。
牛馬・六畜・奴婢・銭財・衣食・什物、また共にこれを憂う。
有無同じく然り

 

(田畑や家が無ければ、それらを求めて苦しみ、 有れば、管理や維持のためにまた苦しむ。
その他のものにしても、みな同じである)

私たちが日頃していることは、無い状態から有る状態にするための努力です。
お金があれば、名誉があれば、才能があれば、恋人がいれば。
様々なものを求め、その道の一流の人を目指して頑張っています。

ところが、その目指す先である一流の人たちの言葉を聞くと、才能や地位があればこその様々なプレッシャーを感じているようです。
また、手に入れたものを失うかもしれない不安と日々闘っていることが分かります。

幸せになれない根本原因とは

お釈迦さまは、物があっても無くても、私たちの悩みや苦しみは変わらないと断言されています。
そして、私たちが幸せになれない根本原因は、「無明の闇(むみょうのやみ)」という暗い心にあることを教えられました。

この暗い心を破り、明るい心にする方法を教えられているのが仏教です。
これはすべての人にある心ですから、すべての人に向けて説かれた教えなのです。

では、暗い心を破る方法とは何でしょうか?

 

「南無阿弥陀仏」にその力があると教えられています。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

南無阿弥陀仏とは一言でいうと「幸せになれる特効薬」

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わか

静岡県の温暖な気候の中で育ちました。 学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々でした。 人間関係に悩み、自分の存在価値を探していたとき、知り合いの先輩に紹介され、ひょんなことから仏教を学ぶようになりました。元々自分の心は見つめていた方だと自負しているのですが、それよりももっと深い自分自身の心を教えられた仏教に感動し、それから続けて学んでいます。
 
   

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