石田三成が拝んだ阿弥陀如来の千体仏|なぜ三成は仏像を拝んだのか
2019年3月13日にフジテレビ系列で放送された「何だコレ!?ミステリー」という番組内で石田三成が拝んだ仏像について紹介されていました。
三成が拝んでいたのは小さな仏像が千体並んだ千体仏という仏像です。
石田三成といえば秀吉の忠臣として活躍し、秀吉の死後は台頭する家康と関ケ原の合戦で戦い、徳川家康に敗れて処刑された武将です。
僧侶が仏像を拝むのならわかりますが、なぜ武将である三成が仏像を拝んだのでしょうか。
石田三成の拝んだ仏像とは?
今回紹介された石田三成が拝んだ仏像は宗安寺というお寺にあり、木でつくられた5cmほどの仏像に金箔が貼られており、それが厨子(ずし)の中に千体(実際は982体)収まったものです。
石田三成の居城である佐和山城が関ケ原の合戦後に徳川方に攻め落とされたときに、領民が戦火から守るために宗安寺に運び込んだとされています。
仏像は阿弥陀如来像です。
三成がなぜ阿弥陀如来を拝んだのかについて、宗安寺の住職さんは
「敵の亡くなった侍、味方で亡くなった侍、巻き込まれた民衆など多くの戦で亡くなった人に『阿弥陀如来の極楽浄土で幸せに暮らしてほしい』と願って拝んだのでないか」
と言われていました。
以前に
武田信玄が大事にしていた観音菩薩像|観音菩薩とはどんな菩薩?
の記事の中で紹介した武田信玄が観音菩薩像を拝んだ理由も、戦で亡くなった人々に極楽浄土へ生まれてほしいという願いでしたが、当時の武将にはそのような考えが浸透していたのかもしれません。
武田信玄は観音菩薩でしたが、石田三成が拝んだ阿弥陀如来とはどのような仏様なのでしょうか。
阿弥陀如来とは
阿弥陀如来という仏様はどういう仏様かについて、お釈迦様は
「阿弥陀如来のお力は他の仏と比べてずば抜けており、他の仏の力では遠く及ばない」
「阿弥陀如来は大宇宙の仏の王様の仏である」
と仰り、
「一向専念無量寿仏」(阿弥陀如来一仏だけに向かい、専ら念じよ)
と言い切られています。
そこまでお釈迦様が絶賛されるのは、阿弥陀如来だけがすべての人を救うことができるからです。
このことについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
このようにお釈迦様が「一向専念無量寿仏」と勧められたため、鎌倉時代に活躍された親鸞聖人も「一向専念無量寿仏」と生涯教えていかれました。
親鸞聖人の教えは今日浄土真宗と言われますが、浄土真宗は別の呼び方で「一向宗」とも言われます。
これは浄土真宗ではあまりに「一向専念無量寿仏」を強調されるので、当時の人たちが「浄土真宗の人たちはいつも『一向専念無量寿仏』『一向専念無量寿仏』と言っている。あれは一向宗だ」と思って、そのように呼ばれるようになったと、蓮如上人は仰っています。
それについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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