5月は親鸞聖人ご生誕の月|親鸞聖人が教えられたこととは?
5月は親鸞聖人がお生まれになった月です。
浄土真宗ではこの季節に、親鸞聖人のご生誕をお祝いする降誕会(ごうたんえ)が開かれます。
親鸞聖人といえば『歎異抄(たんにしょう)』も有名ですが、どのようなことを教えられた方なのでしょうか。
親鸞聖人はこのように言われています。
「更に親鸞珍しき法をも弘めず、如来の教法を我も信じ、人にも教え聞かしむるばかりなり」
今まで誰も説いたことのないような、珍しき教えを説いたのではないよ。
お釈迦さまが教えられた仏教を、私も信じ、人にも伝えているのだ、ということです。
親鸞聖人は、仏教をそのまま伝えられた方なのです。
お釈迦さまがただ一つ説かれたこと
では、お釈迦さまは仏教でどのようなことを教えられたでしょうか。
親鸞聖人は『正信偈』の中に次のように言われています。
「如来、世に興出したもう所以は、唯弥陀の本願海を説かんとなり」
(お釈迦さまがこの世に現れられた目的はただ一つ、阿弥陀仏の本願を説かれるためである)
阿弥陀仏の本願とは、阿弥陀仏という仏さまのお約束のことです。
阿弥陀仏は大宇宙にたくさんおられる仏さま方の先生であり、諸仏の王さまとも言われます。
阿弥陀仏について詳しくお知りになりたい方はこちらの記事をご覧ください。
お釈迦さまも諸仏のお一人ですから、阿弥陀仏はお釈迦さまの先生でもあるのです。
ですから、お釈迦さまは阿弥陀仏のされたお約束を生涯伝えられました。
すべての人に説かれた教え
阿弥陀仏のなされたお約束とは、今日の言葉で言えば「どんな人も必ず絶対の幸福の身にしてみせる」ということです。
絶対の幸福についてはこちらの記事をご覧ください。
すべての人とは、時代や場所に関わりません。何千年前の人も、何千年後の人もすべてです。
現代に生きる私たちももちろん含まれます。
お釈迦さまは、阿弥陀仏がすべての人と約束された本願を伝えられるために、一人一人に応じて教えを説かれました。
これを対機説法(たいきせっぽう)と言われます。
その教えが七千冊余りのお経となって今日に残っています。
お経についてはこちらの記事をご覧ください。
難しいお経をひらがな交じりで
ところが、お経といえば今日では難しいものの代名詞。
漢字ばかりで書かれていますから、読んでも私たちには内容がさっぱり分かりません。
また、お釈迦さまの時代に使われていた言葉や、習慣、常識などは、現代とは全く異なっていたでしょう。
その内容をそのまま言葉にされても、私たちには理解できないことばかりだったに違いありません。
そこで、日本人にもわかるようなひらがな交じりの文章で、お釈迦さまの教えを伝えられたのが親鸞聖人なのです。
内容はそのままで、私たちに一番分かりやすい方法で教えを伝えられたということです。
親鸞聖人が仏教をそのまま伝えられたからこそ、現代の私たちも教えを知ることができるのです。
阿弥陀仏の本願は大船
親鸞聖人は、阿弥陀仏の本願を大船にたとえて次のように仰っています。
「難思の弘誓(なんしのぐぜい)は難度の海(なんどのうみ)を度(ど)する大船」
(教行信証)
「難思の弘誓」とは、阿弥陀仏の本願のことです。
次から次に苦しみ悩みの波がやってくる人生で、溺れ苦しんでいる私たち。
そんな私たちを苦しみの海から助けだし、明るく楽しく渡してくださる大船こそ、阿弥陀仏の本願なのだと言われています。
親鸞聖人の教えられたことをきくことで、阿弥陀仏の本願とはどんなお約束かが分かります。
親鸞聖人の書かれた『教行信証』については、こちらの記事をご覧ください。
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