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亡くなった親に今からできる親孝行とは?|母の日参りと親の恩

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2019/05/10
 

毎年5月の2週目は母の日です。
母の日といえば、いつも仕事に家事に頑張ってくれている母親に感謝の気持ちを示す日として全世界で行われている行事ですね。
母の日に向けてプレゼントを準備している人もおられるのではないでしょうか。

 

そんな中、近年「母の日参り」の需要が増えているのだとか。
母の日の前後に花を買って、亡くなったお母さんの墓参りに行く人が多いのだそうです。
生前の母の恩をしのび、花を供える。
これも一つの母の日の形になってきているのでしょうね。

親から受けてきた大きな恩

お釈迦さまは「恩を知らざるものは畜生よりも甚だし」と説かれています。
恩知らずは動物よりも劣っている、と言われているのです。
この世で最も不幸な人は感謝の心のない人」とも言われ、仏教では、恩を知り、恩を感じ、恩に報いる気持ちの強い人はとても幸せだと教えられます。

私たちは日頃様々な人やものから恩を受けていますが、中でも身近なのは親でしょう。
お釈迦さまは『父母恩重経(ふぼおんじゅうきょう)』というお経に、次のように説かれています。

「父母の恩重きこと、天の極まり無きが如し」

そして、「親の大恩十種」として親から受けている恩を詳しく教えられました。
次の10通りの恩が挙げられています。

(1) 懐胎守護(かいたいしゅご)の恩
(2) 臨生受苦(りんしょうじゅく)の恩
(3) 生子忘憂(しょうしぼうゆう)の恩
(4) 乳哺養育(にゅうほよういく)の恩
(5) 廻乾就湿(えかんしゅうしつ)の恩
(6) 洗潅不浄(せんかんふじょう)の恩
(7) 嚥苦吐甘(えんくとかん)の恩
(8) 為造悪業(いぞうあくごう)の恩
(9) 遠行憶念(おんぎょうおくねん)の恩
(10)究竟憐愍(くきょうれんみん)の恩

それぞれの恩について、解説した動画があります。
こちらからご覧いただけます。

お釈迦さまの説かれた 「親の大恩十種」

亡くなった親には親孝行できない?

これらの恩を知り、自らが受けてきた恩を感じると、親に恩返しがしたいと思います。
母の日や父の日は絶好の恩返しの機会と言えるでしょう。
ですから、親が健在のうちは母の日に贈り物をしたり、手伝いをして親孝行に努めます。

ところが、すでに親が亡くなっている場合はそういうわけにいきません。
生前、十分な親孝行ができなかったと寂しく思っておられるからこそ、亡くなったお母さんをしのんで母の日参りをする人が増えているのでしょう。

 

では、親が亡くなっていたら、もう親孝行はできないのでしょうか?
恩に報いるには、その人が一番喜ぶことをするのがよいと言われます。
いつの時代も、親が子どもに願うことは「まっすぐ幸せに生きてほしい」ということだと思います。

プレゼントを贈ったり、手伝いをすることで、もちろん親は喜んでくれるでしょう。
しかし、それ以上に子どもが幸せでいることを我が事のように喜んでくれるのが親なのです。
親との死別を経験された方でも、自らが幸せになることで親孝行ができるということです。

親に大きな恩がある理由

仏教には、人間に生まれてきたことを心から喜べる幸せが教えられています。
お釈迦さまは、その幸せを次のように仰っています。

「人身受け難し、今すでに受く」
(生まれ難い人間に生まれることができてよかった!)

苦しいことが次々とやってくる人生では、「こんなことなら生まれてこなければよかった」と、親を恨んでいる人もいます。
それでは、親に感謝しようという気持ちにはならないでしょう。

 

しかし、すべての人が生まれてきてよかったという幸せになれるとお釈迦さまは教えられています。
それは人間に生まれなければ決して果たせないこと。
だからこそ、人間に生まれてきたことには大変な意味がある。
親がいなければ、私がこの世に生を受けることはなかったのですから、親には大変な恩があると説かれているのです。

自らの生きる意味を知り、親から受けてきた大きな恩を知って、本当の意味での親孝行ができる母の日としたいですね。

 

私たちの生きる意味について、こちらの記事で詳しく解説しています。

お釈迦さまが説かれた絶対の幸福|底抜けに明るい心の長者になれる

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わか

静岡県の温暖な気候の中で育ちました。 学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々でした。 人間関係に悩み、自分の存在価値を探していたとき、知り合いの先輩に紹介され、ひょんなことから仏教を学ぶようになりました。元々自分の心は見つめていた方だと自負しているのですが、それよりももっと深い自分自身の心を教えられた仏教に感動し、それから続けて学んでいます。
 
   

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