『世の中に失敗など存在しない』キンコン西野さんの言葉と因果応報
3/24に行われた近畿大学の卒業式にキングコングの西野亮廣さんがゲストとして呼ばれてスピーチをされました。
そのタイトルが『世の中に失敗など存在しない』です。
身近に起こった失敗談や自分が今からしようとしていることを挙げたあとに
失敗した瞬間に辞めてしまうから失敗が存在するわけで、
失敗を受け入れて、
過去をアップデートし、
試行錯誤を繰り返して、
成功に辿りついた時、
あの日の失敗が必要であったことを僕らは知ります。
つまり、理論上、この世界に失敗なんて存在しないわけです。
このことを受けて、僕から皆さんに贈りたい言葉は一つだけです。挑戦してください。
小さな挑戦から、世界中に鼻で笑われてしまうような挑戦まで。
皆さんにはたくさんの時間があるので、たくさん挑戦してください
と締めくくっていました。
この言葉について仏教の教えから見てみたいと思います。
因果応報の教え
仏教というとお寺や仏像、あるいはお坊さんが座禅を組んだり山で修行をしているイメージがありますが、それらすべては仏教の根幹となる教えから来ています。
この仏教の根幹の教えを表した言葉が『因果応報』で、四字熟語としてよく聞くことがあるかと思います。
因果応報とは、因とは原因のこと、果は結果のことです。応報は応じて報いるですので、因果応報は「原因に応じて結果がやってくる」ということになります。
現代では「毎日タバコを吸っていたら因果応報か、肺がんになってしまった」のように悪い結果が来たときに使われがちですが、いい結果でも悪い結果でも因果応報です。
因果応報は詳しくいうと
- 善因善果
- 悪因悪果
- 自因自果
と教えられます。
良い原因は良い結果を生み出す。
悪い原因は悪い結果を引き起こす。
自分のやった行いが、自分の結果として返ってくる。
ということです。
失敗をどうするか
挑戦するかぎり、失敗をしない人間はいません。
そのときに因果応報を信じて行動するか、運が悪かったと忘れてしまうかでその後が分かれます。
善因善果悪因悪果ですから、失敗した=悪い結果が来たときに、良い行いをしていたのに悪い結果が来たということはありません。
何か悪い行いをしていたから悪い結果が来たのです。
また、自因自果ですから他人が悪いことをしたから自分に悪い結果が来たということもありません。
悪い結果を他人のせいにしていては悪い原因を変えることができませんから、向上することもありません。
失敗という結果があったときには失敗した原因を見て、失敗の原因を突き止めて、それを改めれば、次にやるときは同じ失敗はしなくなります。
キンコン西野さんが
失敗を受け入れて、
過去をアップデートし、
試行錯誤を繰り返して、
成功に辿りついた時、
あの日の失敗が必要であったことを僕らは知ります。
と言われているように、因果応報を信じて失敗するたびにアップデートしていけば成功に辿りつけるのです。
世の中の成功者と成功しない人との心がけの違いの一つに、成功しない人は成功の反対が失敗だと思っているが、成功者は成功は失敗を重ねた後にあるものだと思っている、というものがあります。
発明王エジソンが記者から
「あなたは電球を発明するまでに1万回も失敗されたそうですね」
と言われたとき、
「いいえ、私は1回も失敗なんてしていませんよ。私は1万通りのうまくいかない方法を見つけただけです」
と答えたように、上手くいかない結果に至る原因を見つけて改善してやがて成功すれば、必要な失敗だったことになります。
因果応報の教えの通り、成功も失敗も一つの結果として見て、その原因を突き止めて向上していきたいものです。
因果応報についてはこちらの記事でも紹介しています。
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