「優曇華」とはどんな花?滅多に見れない貴重な花です
5月23日は世界亀の日です。
それにちなんでテレビ朝日系列で毎週平日放送中の「グッドモーニング」の中の「ことば検定」で林修先生が「盲亀の浮木」という言葉について解説していました。
「盲亀の浮木」についてはこちらの記事をご覧ください。
その中で芝居や落語で「ここで逢うたが百年目 盲亀の浮木 優曇華の花 待ち得たる今日の対面 いざ尋常に勝負!」のように「盲亀の浮木」とセットで使われる「優曇華の花」についても解説されていました。
優曇華の花とは、一体どのような花なのでしょうか。
優曇華とは
「優曇華」はサンスクリット語でウドゥンバラと発音されたものを中国語に翻訳する際に「優曇華」と表記されたものです。
お経の中では他にも「霊瑞華(れいずいけ)」「優曇盋華(うどばけ)」とも表記されることもあります。
「優曇華」というと、実際にある植物の名前を指す場合と伝説の植物の名前を指す場合があります。
実際にある植物ではフサナリイチジクやバショウの花を「ウドンゲ」と呼びます。また植物ではないですが、クサカゲロウの卵も「ウドンゲ」と言われます。
伝説上の植物としては、三千年に一度しか咲かない花とされており、その花が開くときは金輪王が姿を現すと言われています。
実際のお経では
「無量億劫にも、値(あ)い難く見難し。なお霊瑞華の、時あってすなわち出づるがごとし」(大無量寿経)
「優曇盋華(うどばけ)のごとし。希有にして遇い難きが故に」(大無量寿経)
「希有、希有、仏の世に出るは、優曇華の一時のみ現れるがごとし」(金光明経)
「如来に会うて妙法を聞くを得るは、希有なること優曇華の如し」(大般若経)
などと説かれており、仏に会うことやその仏の説かれる教えを聞くことの難しさ、ありがたさを表すための比較として「優曇華」が出てきます。
仏法聞き難し
お釈迦様はこのように言われています。
人身受け難し、今已に受く。
仏法聞き難し、今已に聞く。
この身今生に向って度せずんば、
さらにいずれの生に向ってか、
この身を度せん
「人身受け難し、今已に受く」についてはこちらの記事で解説しています。
「仏法聞き難し、今已に聞く」とは「仏法を聞くことは大変難しいことだが、聞き難い仏法がどうして聞けたのか」ということです。
仏法を聞くことがどれほど難しいことかについて、お釈迦様は「須弥山の山頂から糸を垂らして、ふもとの針の穴に通すほど難しい」とたとえで教えられています。
須弥山(しゅみせん)とは仏教に出てくる山で非常に高い山とされています。
その山頂から糸を垂らしても下は見えませんので針の穴を狙うことはできません。糸を通すのはほぼ不可能でしょう。
「優曇華」や須弥山から糸を通すたとえ話で、いかに仏法を聞くことが難しいか、もし聞くことができたならばそれがどれほど有り難いことかを教えられているのです。
浄土真宗を開かれた親鸞聖人も
如来の興世にあいがたく
諸仏の経道ききがたし
菩薩の勝法きくことも
無量劫にもまれらなり
善知識にあうことも
おしうることもまたかたし
よくきくこともかたければ
信ずることもなおかたし
など、真実の仏法に遇うことはめったにない、大変有り難いことであることを教えられています。
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