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映画「日々是好日」と一期一会|諸行無常の世の中で「今」を感じる

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2018/11/10
 


2018年10月13日に公開された映画「日々是好日」。
「にちにちこれこうじつ」と読みます。
 
茶道をメインとした映画で、黒木華さん、多部未華子さん、そして最近亡くなられた樹木希林さんが出演しています。
 
(参考:『日日是好日』予告編

どんな映画?

映画「日々是好日」は、エッセイスト・作家の森下典子さんの著作「日々是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」を原作としており、原作は2002年に出版され、原作者の森下典子さんが実際に茶道を続けていく中で気付いたこちらの15の幸せが章ごとに物語を通して描かれています。

第一章 「自分は何も知らない」ということを知る
第二章 頭で考えようとしないこと
第三章 「今」に気持ちを集中すること
第四章 見て感じること
第五章 たくさんの「本物」を見ること
第六章 季節を味わうこと
第七章 五感で自然とつながること
第八章 今、ここにいること
第九章 自然に身を任せ、時を過ごすこと
第十章 このままでよい、ということ
第十一章 別れは必ずやってくること
第十二章 自分の内側に耳をすますこと
第十三章 雨の日は、雨を聴くこと
第十四章 成長を待つこと
第十五章 長い目で今を生きること

あらすじ

20歳大学生の典子(黒木華)が母からの勧めと、同い年の従姉妹、美智子(多部未華子)からの誘いでお茶教室に「お茶」を習いに行くことになりました。
お茶教室の先生である武田先生(樹木希林)に一から教えてもらいながら、典子と美智子はお茶を習い始めます。

最初は作法を学ぶだけで精一杯だった典子ですが、やがて日々の生活の中に五感を感じ始めますが…。

日々是好日とは

「日々是好日」とは元は禅宗の言葉で、唐末の禅僧・雲門文偃(うんもん ぶんえん)の言葉とされています。
 
この映画は「にちにちこれこうじつ」と読みますが、「にちにちこれこうにち」と読むのが正しいとされ、表面上は「毎日毎日が素晴らしい」という意味ですが、「毎日を素晴らしい日々にするよう努めなければならない」「日に良し悪しはないのだから、今をあるがまま受け入れるのが大事だ」「毎日を良い日だと思うようにしよう」などと色々と解釈されています。
 
映画「日々是好日」では「今に集中する」「季節を味わう」「五感で自然とつながる」「自然に身を任せる」などの大切さに、「お茶」を通して主人公の典子が気づいていく様子が描かれていますので、「毎日の中にある幸せに気付こう」という意味で「日々是好日」とタイトルに使われているのだと思います。

一期一会

映画「日々是好日」について樹木希林さんにインタビューしたとき、樹木希林さんはこのように言われています。

この本は、森下さんがお書きになってからひと回りしてるわけです12年。あの時代とは違って、今のこの地球がいつどうなるかわからないような、隣の国もわからない、トランプさんもあんなふうだし、いつもスイッチ押せるカバン持ってるみたいだし。そういうときに、“こんなふうに何でもないことを、来年もまた毎年同じことができるということが本当に幸せなんですね”という武田先生のセリフがありますが、やはりそこに行きつく、今の時代に必要な作品になればいいなと思いました

お茶の心得である「一期一会」の精神は、千利休が生み出したものと言われます。
 
千利休がお茶を体系化した時代は戦国時代でした。
「この前まで一緒にいた友達がこの前の戦争で死んでしまった」ということが当たり前のように起こっていた時代です。
 
一緒に食事をする、会話をする、遊びに出かける、そんな何でもないようなことがある日できなくなる時が来る。
 
そもそも今でこそ茶道は女性の嗜みですが、戦国時代は武将の嗜みでした。
 
茶室は刀を持って入れないように狭く作ってあるため、刀を外に置いて武士はお茶を嗜んでいました。
 
もしも明日にでも戦が始まれば、今この場にいる中で誰かが、あるいは自分が死んでしまうかもしれない。だから今集まっている顔ぶれがもう一度集まることはできないかもしれない。
 
実際にこの映画に出演された樹木希林さんは映画公開前に亡くなられました。
 
諸行無常をより強く実感できた時代だからこそ一期一会の「お茶」を嗜み、この顔ぶれでこうして集まることができた今の幸せに気付こうとしたのでしょう。
 
一期一会だから日々是好日。諸行無常の世の中に、つまらない日などなく、意味のない日などなく、無駄な日などないということを戦国時代でも現代でも「お茶」が教えてくれることを映画「日々是好日」は訴えているのかもしれません。
 
一期一会、諸行無常についてこちらの記事で詳しく解説しています。

平家物語 諸行無常から考える私にとって本当に大切なこととは

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間200回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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