インターネットで法要?|コロナショックで生まれた新しい法要の形
2020年8月6日にカンブリア宮殿という番組で「オンラインで説法も法要も!ウィズコロナ時代の寺改革」という放送をしていました。
現在日本にあるお寺の数は77000箇寺ですが、2040年には3割が消滅の可能性があるそうです。
そんな中で様々な改革で参詣者を増やしていたお寺があります。
東京にある築地本願寺です。
築地本願寺は数年前から改革を始め、参詣者を2倍にすることに成功しました。
しかしそんな築地本願寺でも、2020年初頭から始まったコロナショックにより参詣者も収入も大幅に減ってしまいました。
しかしそんな中で今までにない新しい試みを始めました。
一体どのようなことを始めたのでしょうか。
インターネット法要
築地本願寺が始めた試みとは法要のライブ中継です。
法要といえばお寺で、あるいはお坊さんに自宅に来てもらって、親類縁者が集まって行うものというのが一般的ですが、コロナウイルスが蔓延している中ではそのような大勢の人が集まることはできません。
そこでお坊さんたちが配信設備を操作して、法要をライブ中継するようになったのです。
築地本願寺ではインターネット通信を使ってお仏壇を映しながら読経するサービスをしています。
インターネットを通じての個人的な法要や、読経の中継が行われています。
この試みは、お寺やお坊さんは仏様の慈悲を伝えるのが役目で、リアルで行っていることをオンラインでそのまま伝えるのだから、インターネットを使って法要をしてもまったく問題ないということで始まりました。
番組中では「初めての浄土真宗」という内容の法要で、阿弥陀如来とはどんな仏様か、についてお坊さんがインターネットを通じて解説している様子が紹介されていました。
そういった築地本願寺の試みに、門徒の方々の中には違和感を覚える方もあるようですが、「やってよかった」という意見のほうがずっと多かったそうです。
また高齢のため参詣できない方や海外の方も自宅で法要に参加できるため、今まで寺に行けなかった人も法要に参ることができるようになりました。
終末期の患者さんへ
また他にも終末期患者やその家族の心のケアを行う「ビハーラ僧」という特別なお坊さんを育成しており、死に際して不安になる心を安心させるサービスも始めています。
このサービスを始めた理由は、お寺は死んでからではなく、生きている間に自分は何のために生まれて死んでいくのか、自分の人生に意味があったのかという疑問への答え、あるいは生きている間の苦しみを分かち合って、安心して旅立つことを目的として作ったそうです。
築地本願寺の宗務総長の安永雄玄(やすながゆうげん)さんは
「仏教の教えに触れることで自分にもやがて死が訪れることに気が付く、死が身近にあるということを実感することが、今日を生き抜くことに大事」
と言われていました。
お釈迦様の時代も終末期の患者が集まるところが設けられており、そこでは誰かが亡くなると鐘を叩くという習慣がありました。
この鐘の音のことを平家物語では「祇園精舎の鐘の声」と言われています。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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