大仏のおでこについている突起は何?|どの大仏にもある白毫相
テレビ朝日系列で放送されている『そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!』という番組内で、
「奈良の大仏さんのおでこにある突起 何?」という問題が出題されていました。
回答者は
「イボ」
「第三の目」
「中に入るためのスイッチ」
など様々な回答をしていましたが、正解は11人中0人。
平成生まれの一般の方の正解率も10%とかなり難しい問題だったようです。
大仏のおでこの突起は何か。答えは「毛」です。
奈良の大仏に限らず、仏像のおでこには皆あの突起がありますが、なぜ仏さまのおでこには「毛」でできた突起があるのでしょうか。
おでこにあるのは白毫相(びゃくごうそう)
奈良の大仏(盧舎那仏:るしゃなぶつ)のおでこにあるものは、渦を巻いた白い毛です。
この渦を巻いた白い毛のことを白毫相(びゃくごうそう)と言い、伸ばすと一丈五尺(約4.5メートル)にもなる右巻きの白毛です。
仏さまの姿の特徴の中でもわかりやすいものなので、仏像や仏教の絵画ではよく描かれる印で、鎌倉にある高徳院の大仏(釈迦如来)にも付いています。
奈良の大仏だけでなく、日本には他にも有名な大仏があります。
岐阜県にある正法寺の岐阜大仏(釈迦如来)、茨城県牛久市の牛久大仏(阿弥陀如来)、千葉県安房郡鋸南町の日本寺大仏(薬師如来)、富山県高岡市の高岡大仏(阿弥陀如来)などがありますが、どの大仏にも白毫相が付いています。
仏さまの違いは?
大仏とは、大きな仏さまということで、仏さまの名前ではありません。
仏教には、いろいろな仏さまが紹介されています。盧舎那仏(るしゃなぶつ)、釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来大日如来など、さまざまな仏さまの名前が出てきます。
如来と仏の違いについて知りたい方はこちらをご覧ください。
仏教では、大宇宙には地球のようなものが数えきれないほどあると説かれています。
経典には「恒河沙(ごうがしゃ)」とあります。恒河沙とは数の単位にもなっていますが、もともとの意味は、ガンジス河の砂の数ということです。ガンジス河はインドにある世界有数の大河で河口近くになると向こう岸が見えないほど大きな河です。お釈迦様はインドで活躍されましたので、当時のインドの人たちにどうすれば伝えることができるかと、ガンジス河の砂の数という表現をなされたのでした。
地球にお釈迦さまが仏として現れたように、大宇宙にはガンジス河の砂の数ほど仏さまがおられると教えられています。
これを「三世十方の諸仏」と言います。
お釈迦さまを含め盧舎那仏、薬師如来などの仏さまも、「三世十方の諸仏」の一仏なのです。
そしてそれら三世十方の諸仏の王様の仏が阿弥陀如来であると経典に説かれています。
「無量寿仏の威神光明は最尊第一にして諸仏の光明の及ぶこと能わざる所なり」(大無量寿経)
(阿弥陀仏のお力は、大宇宙の仏の中で最高であり、諸仏の力のとても及ばぬ、ずば抜けたものである)
「無量寿仏の威神極まり無し。十方世界の無量無辺不可思議の諸仏如来、彼を称歎せざるはなし」(大無量寿経)
(大宇宙の無数の諸仏方で、阿弥陀仏を絶讃しない仏はないのである)
「諸仏の中の王なり、光明の中の極尊なり」(大阿弥陀経)
(阿弥陀仏は、十方世界の諸仏の王である。そのお力は、群を抜いて勝れたものである)
このように阿弥陀如来は仏さまの王様であり、そのお力は他の仏と比べてズバ抜けて強い仏さまなのです。
では阿弥陀如来の力とはどのようなお力なのでしょうか。
こちらの記事で阿弥陀如来について詳しく解説しています。
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