「観音菩薩像が倒壊。せっかくの仏像が…」|仏と菩薩は違いますよ
平成30年9月末に日本を襲った台風24号によって沖縄の施設では、施設内に立っていた高さ38m(台座含む)、重さ40トンの観音菩薩像が倒れてしまう被害が出ました。
まだ建てられてから半年ほどしか経っていなかったため、このニュースを見た人からは
「大仏を建立しても天災は防げないんだな」
「他の仏像も危ないのでないか」
「神も仏もないとはこのことか」
などの多くの残念がるコメントが上がっています。
菩薩像が倒れてしまったのは残念ですが、皆さんのコメントの中で気になるところがあります。
それはこの菩薩像を「仏像」「大仏」と呼んでいるところです。
この観音菩薩像は一体何か
仏と菩薩の違いの前に、この観音菩薩像について少し説明します。
この観音菩薩の像は鉄とアルミの合金で造られており、福岡県飯塚市の陶芸家・則松金藏(のりまつきんぞう)さんが沖縄県の東南植物楽園(とうなんしょくぶつらくえん)という植物公園に寄贈したもので、「琉球金宮観音菩薩像(りゅうきゅうきんぐうかんのんぼさつぞう)」と名付けられました。
一般公開は平成30年4月4日だったため、公開から半年も経たずに倒れてしまったことになります。
仏と菩薩の違いは?
仏も菩薩も仏教で教えられる偉い存在だとは知っていても、仏とは何か、菩薩とは何かを訊かれたらわからないという方は多いです。
仏とは仏のさとりを開いた人のことで、地球上ではお釈迦さま唯一人です。
さとりと一口に言っても全部で52の位があります。
これを「さとりの52位」と言います。
その52の位の中で52番目、一番上のさとりを「仏覚(ぶっかく)」と言い、このさとりを開いた人を「仏」と言います。
そして仏を目指してさとりの位を上っている人のことを菩薩を言います。
ですから仏と菩薩は、仏が上で菩薩が下、仏のほうが菩薩より偉いということになります。
こちらの記事ではより詳しく説明しています。
観音菩薩とは?
よく街中で祀られていたり、東南植物楽園の菩薩像のように建てられている観音菩薩ですが、観音菩薩とはどのような菩薩なのでしょうか。
観音菩薩は阿弥陀仏(阿弥陀如来)という仏の慈悲を表す菩薩です。
阿弥陀仏もよくお名前を聞くことがあると思いますが、阿弥陀仏は仏の中の王様の仏、最も尊い仏です。
そのため観音菩薩も有名です。
最も尊い仏である阿弥陀仏の慈悲を表すため、観音菩薩は昔から多くの人に信仰されてきました。
こちらの記事ではより詳しく説明しています。
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