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億劫(おっくう)だなぁと思った時に読んで下さい。億劫は実はすごい

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2018/10/31
 

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疲れていて何をするのも気乗りせず、面倒くさいときに「何をするのもおっくうだわ」「考えるのもおっくうだ」と言います。

「おっくう」という言葉は耳にしたことがあると思いますが、漢字で書くと「億劫」です。
「億劫」を見て「おっくう」と読めない人もあるのではないでしょうか。

「おっくう」は余りいい印象はありませんが、実は「億劫」は仏教に由来のある言葉なんです。本当の「億劫」の意味を知ると、おっくうがっていられなくなります。

億劫の「劫」とは

億劫はもともと「おくこう」と読み、それが「おっこう」と読まれるようになりました。

億劫とは仏教では非常に長い時間を表します。
1劫の億倍だから億劫ということです。

1劫の劫は、昔のインドの言葉では「カルパ」といい、漢字で表記したのが「劫波」でした。
それを略して「劫」といい、仏教では最長の時間の単位です。

では「劫」とはどれぐらいの時間の長さなのか。
『雑阿含経』や『大智度論』など、多くの経典や仏教の本に、「磐石劫(ばんじゃくこう)」「芥子劫(けしこう)」の例えで説かれています。

「磐石劫(ばんじゃくこう)」

四十里四方の大盤石(大きな岩)を天人の羽衣で100年に一度触れて、その摩擦によって大盤石が消滅しても未だつきない長い時間

「芥子劫(けしこう)」

四十里四方の城に小さな芥子を充たして100年に一度一粒ずつ取り出して、その芥子がすべて無くなっても未だつきない長い時間

蓮如上人(れんにょしょうにん)は、これを受けて、以下のように説明されています。

一劫というは、高さ四十里広さ四十里の石を、天人の羽衣をもって、その重さ、銭一つの四つの字を一つのけて三つの字の重さなるをきて、三年に一度くだりて、この石をなで尽せるを一劫というなり。
(正信偈大意(しょうしんげたいい))

「その重さ、銭一つの四つの字を一つのけて三つの字の重さなるをきて」とはどのくらいの重さなのでしょうか。

道綽禅師(どうしゃくぜんじ)の『安楽集(あんらくしゅう)』に「天人の羽衣の重さは三銖(さんじゅ)ある」と書かれてあります。
銭の重さは四銖あるところから銭一文の重さにも足らぬということです。

「銭一つの四つの字」とは、昔の寛永通宝のような銭の文字が四つあるもの。
その四つある字の一つのければ、四銖の重さの銭の4分の3の重さ、三銖となります。

いずれの説明でも、劫は気が遠くなるような長い時間を表しています。
さらに「劫」の永さを強調したのが「永劫(えいごう)」です。

一般には、「未来永劫」とか「永劫回帰」と使われますが、仏教では「ようごう」と読みます。永劫も仏教から生まれた言葉です。

「おっこう」が「おっくう」に

億劫(おっこう)とは、1劫の億倍ですから、とても想像できないほど長い時間のことです。

その億劫(おっこう)がどうして今日の億劫(おっくう)になったのでしょうか。

億劫とはとてつもなく長い時間ですが、「時間が長くかかるため、気乗りしない」「時間がかかることは面倒くさい」ということで、長い時間の「おっこう」が、今日の「おっくう」の意味で使われるようになりました。

億劫とは何を表しているのか

親鸞聖人(しんらんしょうにん)の教行信証(きょうぎょうしんしょう)』のお言葉です。

真実の浄信は億劫にも獲がたし。(教行信証総序)
 
(意訳)
真実の浄信(しんじつのじょうしん)は億劫(おっこう)にも長い間獲られぬものなのに、今獲ることができた。

真実の浄信とは、変わらない幸せのことです。変わらない幸せになった、親鸞聖人の喜びのお言葉です。

ここで億劫とは、人間に生まれない前の過去世の果てしない長さを表されています。
この果てしない過去世から比べますと、今、生まれてから死ぬまでの人生はあっという間、瞬間的なものです。

「ついこの間、あけましておめでとうございますと年が明けたと思ったのに」と時の過ぎゆく速さへの驚きを、何度言ったり思ったりしてきたかわかりません。
あれよあれよと、時間は過ぎていきます。時間は一方通行で逆戻りはありません。

 

まとめ

おっくうとは仏教「億劫」から来た言葉です。
劫はたいへん長い時間ですが、億劫とは1劫の億倍ですからとてつもなく果てしない長い時間を言われます。

仏教では億劫もの長い間にも獲られない真実の浄信を獲るチャンスは、人間として生を受けた今しかないと説かれます。

面倒だなぁ、億劫(おっくう)だなぁと思った時は、億劫(おっこう)と思い出し、人生はあっという間に終わってしまうから、「おっくうがっていられない!」と、一歩、踏み出してみましょう。

 

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間100回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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