大仏の額についているものは何?|仏様の三十二の変わった特徴
NHK総合テレビで放送されている『チコちゃんに叱られる!』という番組内で、
「大仏様のおデコのアレ、何?」
というタイトルで仏様の眉間にあるほくろのようなものについて紹介されていました。
ゲストとして参加していた八嶋智人さんは奈良県の特別観光大使をしていたからかその正体を知っており、即答していましたが、様々な仏像や仏画に描かれているおデコのアレは一体何なのでしょうか。
仏様の眉間にあるのは白毫相
仏様の眉間にあるのはほくろのようですが、実際は渦を巻いた白い毛です。
この渦を巻いた白い毛のことを白毫相(びゃくごうそう)と言います。
伸ばすと一丈五尺(約4.5メートル)にもなる右巻きの白毛で、仏様はここから光明を放つと言われています。
白毫相(びゃくごうそう)は像の中では仏像と菩薩像の一部に付いており、他の明王、天などの像には付いていません。白毫相は悟りを表す証だからです。
仏様にしかない三十二の特徴・三十二相
仏様には白毫相だけではなく、普通の人とは違う三十二の大きな特徴と八十の小さな特徴があると大智度論という書物に説かれています。
これを三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう)と言います。
『チコちゃんに叱られる!』の中では他にも、
手足指縵網相(しゅそくしまんもうそう)
手足の各指の間にある、鳥の水かきのような金色の膜のこと。
人々を救うときに指の間から漏らすことなく救えることを表す。
足下二輪相(そくげにりんそう)
足の裏に輪形の相(千輻輪)が現れている。
お釈迦さまが淀みなく車輪のように説法し続けたことを表す。
正立手摩膝相(しょうりゅうしゅましっそう)
正立(直立)したとき両手が膝に届き、手先が膝をなでるくらい長い。
慈悲の働きが遠くまで及ぶことを表す。
などが紹介されていましたが、その中でも特に有名な特徴が眉間の白毫相(びゃくごうそう)です。
仏の光明とは
白毫相から光明を放つと言ってもライトのようにピカピカと発光するのではありません。
光明とは実際の光のことではなく仏様の智恵のことを言います。
「親の七光」という言葉があります。これは親が実際に七色に光っているわけではなく、偉い親の力を「光」と表現しています。仏法では、目に見えない仏の力を「光明」というのです。
光明を智恵ともいい、すべての仏さまは仏の智恵を持たれています。
その中でも特に阿弥陀仏と言われる仏様の智恵が他の仏とは比較にならないほど強いことをお経の中に
「無量寿仏の威神光明は最尊第一にして諸仏の光明の及ぶこと能わざる所なり」(大無量寿経)
(阿弥陀仏のお力は、大宇宙の仏の中で最高であり、諸仏の力のとても及ばぬ、ずば抜けたものである)
「諸仏の中の王なり、光明の中の極尊なり」 (大阿弥陀経)
(阿弥陀仏は、十方世界の諸仏の王である。そのお力は、群を抜いて勝れたものである)
などと説かれています。
他の仏とは比較にならない智恵=力を持つ阿弥陀仏とはどのような仏様なのでしょうか。
こちらの記事で阿弥陀仏について詳しく解説しています。
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