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ネコが魚を好きなのは仏教の影響?|なぜネコと魚が結びつくのか

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2020/07/18
 

「お魚くわえたドラ猫~」で始まるのはサザエさんの歌。

ネコと言ったら魚が好きというイメージが定着しています。
しかし実は海外ではそのようなことはなく、ネコと魚を結びつけるのは日本人だけなのです。

ではなぜ日本ではネコと魚が結びついているのでしょうか。
それは仏教の影響があったのです。

ネコは本来何を食べる?

ネコは哺乳類の中でも食肉目に属する生き物で、肉が主食です。
野生のネコはネズミや小鳥、トカゲやカエルなどを捕食し、魚を食べる機会はあまりありません。

ネコは体内では必須栄養素であるアラキドン酸、EPA、DHA、レチノール、タウリンなどを合成することができず、これらを含有する哺乳類の肉から摂取する必要があります。

魚にはこれらの必要な栄養素が含まれているため、肉を食べられない状況では魚を食べて栄養を補給します。

ネコが食べてはいけない魚

しかしだからといって魚を積極的に与えるのは考え物です。

ネコに食べさせてもいい魚は白身の魚です。
それ以外の魚はよくありません。

例えば、青魚はDHAやEPA等の不飽和脂肪酸を多く含んでいます。
人間が食べても問題ない量でもネコは体重が軽いため、青魚を少量でも食べることで多量の不飽和脂肪酸を摂取し、体内で酸化して黄色脂肪症を引き起こす原因になります。

また、かまぼこやツナ缶は塩分や脂肪過多になります。
かつおぶしやにぼしはミネラルの過剰摂取になります。

マグロやカツオなどの赤身魚は月に1回、刺身半切れ程度なら与えても大丈夫ですが、それ以上食べると黄色脂肪症の恐れがあります。
ただし寄生虫の恐れがあるため刺身や切り身ではなく、加熱しないといけません。

一方で日本のキャットフードの原料は魚が主です。(海外では「ビーフ」「チキン」「カモ」などの肉が原料の場合が多い)
ですがキャットフード会社がネコの体のことをちゃんと考えて作っていますので、わざわざ魚を与えなくてもキャットフードを与えていれば魚の栄養を摂取できるのです。
(参考:猫が好きそうなものは与えても大丈夫? 猫が食べてもいい・食べてはいけない魚など

なぜネコ=魚になったのか

ではなぜ日本ではネコと魚が結びつくようになったのでしょうか。

それは日本が仏教国であったからです。

日本に仏教が伝わったのは奈良飛鳥時代ですが、仏教では殺生を戒められているため、貴族の間で殺生が嫌われたり、天皇が狩猟を禁じたりして獣肉が避けられるようになりました。

この習慣は鎌倉時代には一時的に薄まりますが、戦国時代にはまた獣肉を嫌うようになり、一般大衆の中でも仏教を信じる人が多くなり、仏教に教えられる殺生を嫌って獣を殺して食べる習慣があまりありませんでした。

ですが全く肉を食べない訳にはいきません。

そこで、狩りで肉を手に入れるのは良いけれど家畜を殺して肉を取るのはダメ、そして足が多いほどダメだとされ、哺乳類よりは鳥のほうがマシ、鳥よりも魚のほうがマシ、だから魚なら食べてもまだ許されるとなっていったようです。
(参考:日本の獣肉食の歴史

そのため昔から日本人は魚を食べて、タンパク質や脂肪を摂取していました。

ネコはご飯は食べませんし、野菜も食べません。
ですからネコを飼っていた人が与えるエサは必然的に魚になります。

そこから
「うちのネコはご飯も野菜も食べないけど魚はよく食べるなあ。きっとネコは魚が大好きなんだな」
と思われるようになっていき、ネコ=魚という構図ができたのです。

仏教で教えられる殺生

殺生を嫌ったため、ネコ=魚となっていったのですが、仏教では殺生罪といっても3つあると教えられます。

1、自殺
2、他殺
3、随喜同業

の3つです。

1の「自殺」は一般的に言われる自殺のことではなく、自分で生き物を殺すことです。
2の「他殺」は他人に依頼して生き物を殺すことです。
3の「随喜同業」は他人が殺生をしているのを見て楽しむ心があれば自分で生き物を殺したのと同じ殺生罪ということです。

牛でも豚でも魚でも関係なく、自分で殺さなくても店で肉を買えば「他殺」の殺生罪を犯しています。買う人がいなければ殺す人もいませんから、その生き物は殺されずに済んだからです。

また蚊やゴキブリを叩き殺すのを見て喜ぶのは随喜同業の罪になります。

どれだけ獣肉を禁じられても、殺生せずしては生きていけないのが人間なのです。

殺生についてはこちらでも解説しています。

親鸞聖人関東布教・日野左衛門の済度(4)

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間200回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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