男の子の名前で人気な「蓮」|蓮ってどんな花?
11月5日、株式会社ベビーカレンダーは「9月生まれベビーの名づけトレンド」を発表しました。中でも男の子の1位は「蓮」君。
また、今年7月に株式会社赤ちゃん本舗が発表した「2018年上半期赤ちゃん命名・お名前ランキング」の中でも男の子の名前は「蓮」君が1位でした。
毎年発表される明治安田生命の命名ランキングでも2014年に「蓮」君が1位にランクインしている他、ここ十数年間、何度もベスト10位にランクインしている人気の名前です。
花や木にちなんだ名前は「楓」「葵」「杏」など女の子に付けられやすいのですが、「蓮」は珍しく男の子に使われる漢字です。
「蓮」とはどのような植物なのでしょうか。
蓮とは
蓮はインド原産の水生植物で、土の上ではなく湖や沼などに咲きます。
花が咲く前の姿が蜂の巣のように見えるため、「はちのす」→「はちす」→「はす」と呼ばれるようになりました。
地下茎のレンコン(蓮根)はよく食べられていますが、じつは葉っぱや茎や種も食べることができます。
蓮の種は緑色ですが、皮を剥くと白い実がでてきて、これを生で食べたり、練って餡にしてお菓子に入れることもあります。
また蓮の葉っぱは目に見えないほどの微細な突起に覆われているため水を弾き、決して表面が濡れることはありません。
蓮と仏教
蓮は仏教との関係性が深い花です。
泥中之蓮(でいちゅうの-はす)や、一蓮托生(いちれん-たくしょう)といった仏教を起源とする四字熟語もありますが、どうしてでしょうか。
レンコンを栽培するためのレンコン畑は一般的な畑ではなく底の深い泥田で、収穫のときには胸まで泥に浸かって泥だらけになりながら収穫します。
しかし7月から8月にかけてその泥田に咲く蓮の花(蓮華)は、とても泥田で育ったとは思えないほど、澄み切った一点の汚れもない綺麗な花を咲かせます。
仏教ではこのように蓮の花が泥田の中でも、無垢で美しい花を咲かせる特徴を『汚泥不染』(おでい-ふぜん)と言われ、極楽浄土に生まれられる人の心の特徴に似ているのだよと教えられます。
子供の名前は世相を反映させるといいますが、千年に一度と言われるような災害が相次いで起こる今日、子どもに強く素直に育ってほしいという願いが込められているのでしょう。
その上で、仏教で教えられているような蓮の花の特徴も知ってもらいたいと思います。
「蓮」という字が使われる「一蓮托生」も仏教と関係があります。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
倶会一処とは 一蓮托生の意味
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