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孤独に泣くあなたへ|「その心の重荷、すべてまかせよ」のお約束

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ: 更新日:2023/08/29
 

──実家から箱いっぱいの新鮮な野菜が送られてきた。中には私と夫、子供たちの好物の菓子も。家族一人一人への、母の心遣いがとてもうれしかった──
 
ある日常をつづった文章です。陰ながらいつも気にかけ、支えてくれる存在が、いかに生きる力になることか。
寒風の吹く中、温かい居場所を得て、ホッと一息ついたような気持ちになります。
誕生日の早朝に、離れて暮らす娘から、「お父さん、誕生日おめでとう!いつもありがとう」というメールを受け取った父親は、その日、幸せな気持ちで過ごすでしょう。
 
出産直後に母親から、
「孫はとてもかわいい でもあなたのほうがもっとかわいい よく頑張りましたね 偉かったよ」
とメッセージが届いた娘には、元気や勇気が湧いてきます。
誰もが、友、家族、恋人、伴侶……身近な相手と絆を強め、互いの琴線に触れたいと願っている。
そして一瞬でも心がつながったと感じると、心が潤い、温かくなるのです。
 
自分を認め、受け入れ、味方でいてくれる人を「知己」といいますが、そんな相手や心安らぐ場所が、よりよく生きるには大切です。数々の特許を得た発明王・エジソンもそうでした。
幼い頃から知識欲旺盛だった彼は、教師を質問攻めにしたのが問題行動と見なされ、学校を辞めさせられてしまう。
ところが母親は、そんな彼を見捨てることなく育み、適性を見極めて科学者への道を開きます。その母への感謝をエジソンは後年、こう述懐しています。
「私を作り上げてくれたのは母だった。母は私を理解し、性質が向いているほうへ進ませてくれた。もし母が私を認めず、信じてくれなかったら、とても発明家にはなれなかっただろう」
生涯の味方であった母親なくしては、世界の発明王の誕生はなかったのです。
 
子供も大人も、そんな存在がそばにいるだけで、生きる意欲が湧き、活力がみなぎってきます。
反対にそういう支えがなくなると、心がささくれ立ち、疎外感や絶望感を抱くようになるでしょう。
かつては青少年の非行の背景にあった問題が昨今は特に、中高年にも見られるようになりました。
孤立して自暴自棄となり、犯罪に走る事例が多くなっているのです。
 
そのような高齢者の孤立防止には、子供が同居して親の面倒を見たり、相談機関を設けたり、老人施設に人員を配するなどの手厚いケアで、一定の効果は期待できます。
声の掛け合いやスキンシップで防げる孤立は確かにあるからです。
 
しかし、私たちには、どのように配慮してもなくならない寂しさ、「孤独」というものがあります。
その孤独とは、隣に連れ合いがいても感じるもの。
永遠の愛を誓った夫婦でも、ケンカもしないほど気が合い共感できるパートナーでも、心の深い部分まで分かり合うことはできない。
魂の孤独のことです。ここから先はどうにも相いれぬ、というものが必ずある。
“どんな人でも心の奥底に秘密の蔵を持っている”と仏教では説かれています。
 
そんな人間の実相をお釈迦さまは、「独生独死 独去独来」(大無量寿経)と仰っています。
私たちは、この世に独りで生まれ、独りで死んでいく。独り来て、独り去ってゆく。最初から最後まで、独りぼっちの旅をしているのだと説かれています。それは一緒に生まれてくる双子や三つ子も例外ではありません。どれだけ顔が似ていても、心は各人、別の世界に生きているのです。
だから“肉体の連れはあっても、魂の連れがない”といわれるのです。
 
“私はいつも、素のままの自分を出して何でも言っている”という人もありますが、そんな人も脚色したり、隠したりしている。
“ここから先は……”と線引きして、言えるところまで言っているだけではないでしょうか。
もし心の中を何もかもぶちまけたら、
「おまえ……そんなこと思っていたの?」
「あきれた……」
皆、絶句して逃げ出すでしょう。
そんな誰にも言えない苦悩を抱えて、皆、苦しんでいます。
その私の心を全て打ち明けて、完全に誰かに理解してもらえたら、どれほど心が安らぐことでしょうか。
自分の弱さ、醜悪さも引っくるめて、全て受け入れてくださる方があれば、私は真に救われるでしょう。
 
仏教を説かれたお釈迦さまは、遠い過去から抱えてきたその心の重荷を、丸ごと全て受け入れてくだされる方があるのだよと仰います。
 
大宇宙には、無上のさとりを体得された仏さまが数多くおられるが、それらの仏方が“われらが師匠”と仰ぐ偉大な仏さまがいらっしゃいます。
それが本師本仏の阿弥陀仏(弥陀)であるとお釈迦さまは説かれています。
阿弥陀仏はただお一人、私の心の重荷を全て受け入れて、「どんな人も 我にまかせよ そのまま絶対の幸福に救う」と約束(本願)なされています。
この弥陀の本願に救い摂られた親鸞聖人は、罪悪深重の自身の実相を知られ、
「阿弥陀仏だけが、この親鸞の深い悪業を全て分かってくださり、大慈悲心であわれみ慈しみ、摂取してくだされたのだ」と、こう仰せになっています。

「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人が為なりけり、されば若干の業をもちける身にてありけるを、助けんと思召したちける本願のかたじけなさよ」
(歎異抄)

弥陀が五劫という永い間、熟慮に熟慮を重ねてお誓いなされた本願を、よくよく思い知らされれば、まったく親鸞一人を助けんがためだった。
こんな量り知れぬ悪業を持った親鸞を、助けんと奮い立ってくだされた本願の、なんと有り難くかたじけないことなのか。
 
果てしない過去から孤独な魂に震え、“こんな罪の重い私は助からないのか”と泣いていられた聖人が、弥陀の本願に救い摂られ、“私一人のための弥陀のお約束であった”と慶喜せずにおれなかったのです。
 
この、どんな人も見捨てられぬ弥陀の願力は、救われた人ばかりにかかっているのではありません。
男女、賢愚、貧富の格差は関係なく、人種も民族も超えて、すべての人が弥陀の大慈悲によって生かされ、育まれているのです。
 
「決してあなたは独りぼっちではない。うれしい時も、悲しい時も、ともにある弥陀だぞ」
常に寄り添いたまい、光に向かって進めよと、導いてくだされているのだよ、と親鸞聖人は仰せです。
そして、この弥陀の不可思議の願力に摂取されれば、どんな人も、この世で「絶対の幸福になれる」と親鸞聖人は仰せです。
絶対の幸福とは、時間がたつと色あせ喜びが消えてしまうような幸福ではなく、どんなことがあっても変わらぬ幸せのことです。そして来世は必ず阿弥陀仏の極楽浄土へ生まれさせていただく身になれるのです。
 
仏教に「広大会(こうだいえ)」という言葉がありますが、広くて大勢の人が集まっている、にぎやかな世界のことです。
常にお釈迦さま、親鸞聖人や蓮如上人、往生された方々が温かく語りかけられる、魂の孤独とは無縁の世界です。
いかに苦しくても、私たちが耐えて生き抜くのは、弥陀に全てを打ち任せて、“広大会”の世界に出させていただくため。寂しい一人旅の人生も、必ず極楽浄土に生まれる身にさせていただくためなのです。
弥陀の本願を聞く一つで必ず救われます。

まとめ

  • 誰もが、自分を認め、受け入れ、味方でいてくれる人を求めています。
    しかし私たちには、どれほど気が合い共感できる相手でも、「ここから先はどうにも相いれぬ」というものが必ずあります。
  • 「独生独死 独去独来」で、生まれてから死ぬまで、独りぼっちの旅をしているのだと説かれています。
    “肉体の連れはあっても、魂の連れがない”といわれるゆえんです。
  • お釈迦さまは、遠い過去から抱えてきた心の重荷を丸ごと受け入れてくださる方があると仰います。
    それは大宇宙の仏方が師匠と仰ぐ、本師本仏の阿弥陀仏(弥陀)であると説かれています。
  • 阿弥陀仏はただお一人、「どんな人も 我にまかせよ そのまま絶対の幸福に救う」と本願に約束なされています。
    この願力は、男女、賢愚、貧富の格差は関係なく、人種も民族も超えたすべての人にかかっています。
  • この弥陀の不可思議の願力に摂取されれば、どんな人も、この世で「絶対の幸福になれる」と親鸞聖人は仰せです。
    来世は必ず阿弥陀仏の極楽浄土へ生まれさせていただく身になれるのです。

弥陀の本願を聞く一つで必ず、魂の孤独とは無縁の世界に出させていただけます。
寂しい一人旅の人生も、必ず極楽浄土に生まれる身にさせていただくためなのです。

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間200回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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