微妙とは元々どういう意味?|微妙な教えを説かれたお釈迦様
9月1日にテレビ朝日系列で毎週平日放送中の「グッドモーニング」の中の「ことば検定」で林修先生が「微妙」という言葉について解説していました。
(問題)「微妙」の本来の意味は?
1、わからない
2、優れている
3、ほっぺが落ちる
答えは、2の「優れている」です。
ふだん「微妙」を使うときは
「人気のラーメン屋さんに行ったけど微妙だった」
「うまくいくかどうか、微妙なところだ」
「街並みは日々微妙にだが変化している」
のように「いいとは言えないけど悪いとも言えない」や「わずかに」といった意味で使われることが多いため、元が「優れている」という意味だとは思えませんが、「微妙」は元々仏教から来た言葉なのです。
微妙とは
「微妙」は仏教では「みみょう」と読みます。
「みみょう」とは「言葉では言い尽くせない不思議で奥深い素晴らしさ」を表す言葉で、仏教のことを「微妙の法」と言われることがあります。
「無上甚深微妙の法は百千万劫にも遭い遇うこと難し」(開経偈)
「普く十方のために微妙の法を説きたもう」(大無量寿経)
初めはこのような意味で使われていたのですが、「言葉で言い表せない」ということから
「はっきりと言えないぐらい状態が細かく複雑なこと。分かりにくいこと」
の意味合いが生まれ、「分かりにくい」の意味が強まり
「いいとも悪いとも判別できない」
「どちらかといえば良くない」
になっていき、現在よく使われる「ビミョー」になりました。
仏教の教えとは
仏教を「微妙の法」とも言われます。
「法」とは「教え」ということですので、仏教は微妙な教え、素晴らしい教えということになります。
仏教と聞くと葬式や法事、供養や墓番といったイメージがあります。
その仏教がなぜ素晴らしい教えといわれるのでしょうか。
私たちは毎日、どのように生きていくかに一生懸命ですが、その前に大事なのは、生きて何をするのか、なぜ生きるか、という目的をハッキリさせることではないでしょうか。
とんちで有名な一休さんは、私たちの生きる様を
「人生は 食て寝て起きてクソたれて 子は親となる 子は親となる」
と詠んでいます。
食べて寝て起きて子供を育てるだけなら、犬や猫、ネズミでもやっています。
人間は食べるために毎日働き、業績や人間関係に悩みながら、雨の日も雪の日も、時には身体の不調にも耐えて、職場に出掛けます。
子供を育てて成人させるのも、並大抵のことではありません。
ただ、食べて寝て起きてを繰り返すだけの一生なら、苦しむために生きていることになってしまいます。
みんな、幸せになりたい、よりよく生きたい、と願って努力していますが、一体、どこへ向かって生きていけば本当の幸せになれるのでしょうか。
これだけ物に恵まれ、便利な生活ができる日本でも、自殺者は後を絶ちません。
未遂者、自殺を考えている人は、その何倍ともいわれます。
医学の進歩によって平均寿命は延びる一方、超高齢化社会となり、老後の心配が社会全体を覆っています。
アメリカの著名な心理学者チクセントミハイは「生きる目的」が分からないから、どれだけ利便と娯楽に囲まれても、心からの充実が得られないのだと、説明しています。
苦しい時、「こんな人生、なぜ生きねばならないのか」と思わず問わずにおれなくなりますが、どんな状況になろうと、すべての人にとって最も大事なことが、生きる目的です。
その「人生の目的」を教えられているのが、仏教なのです。
では仏教では人生の目的をどのように教えているのでしょうか。
こちらの記事で紹介しています。
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