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他力本願の本当の意味|「他力本願」=「人まかせ」ではありません

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カテゴリー:1から分かる浄土真宗 タグ: 更新日:2024/07/24
 


他力本願」という言葉を聞くとどのようなことを思うでしょうか。
多くの人は「他力」と聞くと
「他人のふんどしで相撲を取る」
「他人の提灯で明かりを求める」
というように
「他力」=「他人の力」のように思って、「他力本願」とは、力のない人間が力のある人間に助けを求める依存心のように思っている人が多いです。
 
そのため新聞などにも堂々と
「他力本願ではいけない、自力更生でなければならぬ」
などと書いてありますし、そのような記事を読んでも何の不審も感じない人が殆どです。
 
今回、鹿児島県選挙管理委員会が作成した知事選啓発ポスターに使われていた「他力本願」の文言に対して浄土真宗の寺院が抗議文を送るということがありました。
 
ネット上の記事はこちらです。
 
そのポスターには4人の架空の知事が描かれており、それぞれが賛同できない主張を行い、それを通して「知事を正しく選ぶことが大事」と訴えているポスターなのですが、その中に「他力本願知事 ほかた よりひこ」という人物が「鹿児島がもっと良くなりますように!!」と知事でありながらまるで他人事のような頼りないことを言っています。
 
ここでは「他力本願」が「人任せ」「他人の力に頼ること」という意味で使われていますが、これは間違った意味であるということで行われた抗議でした。
 
では仏教の「他力本願」の正しい意味はどのような意味なのでしょうか。

語源は仏教にある

今回抗議を行ったのは浄土真宗の寺院ということですが、浄土真宗という教えは800年ほど昔、鎌倉時代に活躍された親鸞聖人が開かれた教えであり、親鸞聖人は他力本願一つを教えていかれた方です。
 
そのため親鸞聖人が「他力本願」についてどのように教えられているかを知れば、正しい「他力本願」の意味もわかります。
 
では「他力」とは一体どんな意味なのか。親鸞聖人が『教行信証』に

『他力』と言うは如来の本願力なり。

と明示されています。
ここの「如来」とは阿弥陀仏のことですから、阿弥陀仏の本願力のみを他力というのです。
他力の「他」は阿弥陀仏に限るのです。
 
阿弥陀仏についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

阿弥陀如来とお釈迦さまは同じ仏さま?一番有名な仏さまは?


 
それでは阿弥陀仏の本願力とは、どんなお力なのか。
 
これについても親鸞聖人は『和讃』に
「無明長夜の闇を破し 衆生の志願を満てたまう」力であると鮮明に教えていられます。
 
無明長夜の闇とは私たちの暗い心、苦悩の根元の心です。
阿弥陀仏の本願力とは、我々の暗い心、苦悩の絶えない心を打ち破って日本晴れの大安心にするお力であり、我々の一切の願いを満たして大満足の心で生き抜けるようにしてくだされるお力です。それを「他力」というのです。

他力とは弥陀の本願力のみ

世間一般では他力を常識的に解釈して、自分の力以外をすべて他力と思って「他人の力」だけでなく、太陽の働きや、雨や風や空気、その他自然の働きなどの、自分以外のすべてを他力と思っている人もいますが、これも間違いです。
 
なぜなら、もし太陽やその他の自然現象をすべて他力としますと、阿弥陀仏が時によっては干ばつで人間を苦しませることになります。
地震によって我々の生命を奪ったり、台風で人命を脅かしたり、財産を失わせたりする呪うべき、憎むべき、悪魔になることがあるということになります。
 
これらのことをすべて他力、阿弥陀仏のお力とすることは、とんでもない大慈大悲の阿弥陀仏に対するぬれぎぬであり、大変な冒涜といわねばなりません。
 
これらは「自然の力」というべきもので、他力ではありません。
「他力」とは、あくまで我々を大安心、大満足の心、絶対の幸福にさせてくだされる、阿弥陀仏の本願力のみを言います。
 
このことが分かれば、他力によって救われた親鸞聖人のたくましさ、明るさ、強さが一般的に言われる「他人任せ」という意味の「他力本願」とはまったく違うこともよく理解できます。
 
「他力本願」についてはより詳しくこちらの記事で解説しています。

ホントは強いぞ他力本願|どんなトラブルにも“折れない心”になる

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間200回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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