人生の目的を明らかにされた親鸞聖人 「平生業成」とは
親鸞聖人の教えは「平生業成」の教えと言われます。
しかし今日、平生業成と聞くと、日頃の行いのことのように思う人が少なくありません。
しかしそれでは親鸞聖人は日頃の行いを教えられたことになってしまいます。
今回は親鸞聖人の教えられた、正しい「平生業成」の意味を解説します。
(質問):「平生業成」とは、何ですか?
(解答)
あなたは仏教と聞いたら最初に何を思い浮かべるでしょうか。
葬式、法事、墓など、死者儀礼や供養を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし実は仏教には、生きているときに大切なことを教えられています。
「平生業成」という言葉があります。
「平生業成(へいぜいごうじょう)」とは、親鸞聖人の教えを漢字4字で表した、いわば「一枚看板」とされている言葉です。
看板は、その店が何を売っているかを示しています。
例えば「八百屋」という看板があれば、野菜が売られているのだな。
「タバコ店」とあれば、タバコを売っているのだなと分かります。
もし魚屋さんに「タバコ店」という看板が出ていたら、どうなるでしょうか。
タバコを買いに来た人は、タバコがありませんから腹を立てて帰っていきますし、魚が欲しい人はだれも来ませんから、その店は倒産してしまうでしょう。
ですから、看板は非常に大事なものだと分かります。
「平生業成」の漢字4字は、親鸞聖人の教えを知るのに、大変大切な言葉なのです。
(質問):「平生業成」とはどういう意味ですか?
(解答)
平生業成の「平生」とは、死んだ後ではない、生きている現在ということ。
「業」とは、卒業とか事業の業の字を書いて、仏教では「ごう」と読みます。
親鸞聖人は、人生の大事業のことを「業」と言われています。
大事業といっても、秀吉や家康の天下統一の事業や、松下幸之助氏がやった事業などではありません。人生の大事業です。
人生の大事業とは、何のために生まれてきたのか、何のために生きているのか、苦しくともなぜ生きねばならないのか、という「人生の目的」のことです。
その答えを、親鸞聖人はハッキリと示されています。
最後の「成」とは、完成する、達成するということですから、「平生業成」とは、まさしく「人生の目的が、現在に完成する」ということです。
親鸞聖人ほど、人生の目的と、その完成のあることを強調された方はありません。
「人間に生まれたからには、これ一つ果たさなければならない大事業がある。それは現在、完成できる。だから早く完成しなさいよ」と生涯教えられたのが親鸞聖人ですから、聖人の教えを「平生業成」というのです。
何のために生まれてきたのか。
何のために生きているのか。
苦しくともなぜ生きねばならないのか。
「人生の目的」を、親鸞聖人は明らかにされています。
まとめ
親鸞聖人の教えは「平生業成」と言われ、「平生業成」とは「人生の目的が、現在に完成する」ということです。
親鸞聖人が教えられたことは私たちが生きている目的、人生の目的があることと、それが生きているただ今完成することです。
ではその、親鸞聖人の教えられた「人生の目的」とは何でしょうか。こちらの記事で解説しています。
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