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お釈迦様物語 美人の必須条件 富豪と美貌の娘

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カテゴリー:お釈迦様物語 タグ: 更新日:2018/10/06
 

美人の必須条件

お釈迦様の物語 美人の必須条件 富豪と美貌の娘

「何だ、まだ着替えていないのか。今日は仏陀・釈迦牟尼のところへ行くというのに。急いで準備をしないか」
思いどおりに事が運ばないと不機嫌になる父は、出がけに予定が狂ったのでイライラしている。
鏡に向かっていた娘は、もう出発の時間と知っていたが、父への反抗心から準備をせずにいた。
“もう、うんざり。こんな着せ替え人形みたいな毎日はイヤ……”
むろん、父の面前でこんなことは言えないが、胸には不満や不安が詰まっている。彼女は、わざとゆっくり着替えて、父への抵抗を示した。
 
町一番の富豪である父・摩訶密は、いつも美しく着飾った娘を伴って宴会や会合に顔を出すのが日課だ。
行く先々で彼は、娘の美貌を自慢しては、そこにいるだれもが褒めそやすのを聞いて満足した。
幼いころから顔立ちがきれいだと評判の娘は、初めはちやほやされるのがうれしくて、父の行くところ、どこへでもついていくようになった。
上機嫌になった父が、決まって新しい服を買ってくれたのも理由のひとつだ。それが成人した今も続いている。
彼女は、一日中鏡を眺め、容姿のことばかり気にかける毎日を送るようになった。美しさは輝きを増し、
「ワシの娘を美しくないという者があれば、金子千両を出してやろう」
父は、最後にはいつもこう言い放って磊落に笑う。事実、男といわず、女といわず、彼女の美貌に一目ぼれするのか、皆好意的だった。
 
ところが最近、その日常に陰りが差している。
酒席での、周囲の反応が変わってきたのだ。例えば以前は、本気でほれ込んで、熱烈に求婚してくる者も多かったが、近ごろはさほどでもなく、称賛の口ぶりも、どこかよそよそしい。
追ってくれば煩わしいだけの男たちも、潮が引くように去っていくと寂しかった。
理由はよく分かっている。飽きられたのだ。人の心は移ろいやすいものである。年若く、より美しい娘が社交界に加わってきて、そちらに人気が移っているのだ。
父は気づいていないようだが、当の娘はそれを痛いほどに感じていた。
現実を目の当たりにした時、心はザワザワと落ち着かず、時にイラだち、不安定な毎日に苦しんだ。
だが、よくよく考えれば、初めから自分たち父娘は、それほど珍重されていたのではなかったのかもしれない、と思われた。

美人の必須条件

そんな彼女を、父の鈍感が何より悲しませる。昨晩、酔態の末に、
「おれの娘は、だれに見せても感心せぬものはいない。ひとつ、出家の釈尊に見せてやりたいものだ」
と言ったのだ。彼女はあきれ果て、心は凍りつき、言葉を失った。
“もういいかげん、こんな毎日は終わりにして。もっと互いにいたわったり、心豊かな会話がしたい。それなのにお父さまの関心は、私を人に見せびらかして、その親である自分を誇りたいだけなんだわ”
実際こうしてお釈迦様の元へ押しかけていく無神経な強引さが、彼女には我慢がならなかった。
 
参詣者でごった返す法話会場で、摩訶密はようやく釈尊と面会できた。
口から泡を飛ばして、どうだとばかりに娘の美しさを力説する父の横で娘は、ハラハラしながら仏陀をのぞき見た。
心中を見透かすような涼しげな視線に彼女は、身じろぎもできずにうつむく。釈尊は父親にこう言われた。
「この娘を私は、少しも美しいとは思わない。なるほど、容貌はいかにも美しい。しかし人間には、もっともっと美しいものがある。それは心の美しさだ。心の端正こそ真実の美である」
 
厳しいお言葉に娘は、自分が感じていた不安や不満の出どころをえぐり出されて目を見開いた。

〝そうだ、見てくればかりで私は、心を磨いてこなかった〟
心が豊かで美しくなければ、決して本当の安心や満足は味わえないのだと知った。
父も感じるところがあったのだろう。以来、娘を連れての外出はやめ、仏法を深く求めるようになった。

美人の必須条件

容貌が美しくなりたいというのが、すべての女性の念願と言っていいのではないでしょうか。
お釈迦様は、真の美しさは、顔や姿態にあるのではなく、その人の心にある、秋空のように澄み切った清浄な心こそ美人の必須条件であり、男女を問わず養うべきは、心の美なのであると教えられています。心を美しくする方法を教えられたのが仏教です。

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。 20年以上学んできたことを、年間200回以上、仏教講座でわかりやすく伝えています。
 
   

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