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平家物語の冒頭で有名な諸行無常とは

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カテゴリー:基礎から学ぶ仏教 タグ:
 
諸行無常

源義経像

(質問):平家物語の冒頭に
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」とありますが、諸行無常とは、どういう意味でしょうか。

(解答)
「諸行無常」とは、仏教の大切な教えの一つです。
諸行とは、すべてのもの。無常とは、常が無いということで、続かない、変わらないものはないということです。ですから、諸行無常とは、すべてのものは続かないという意味です。
諸行の中には、私たちの日常生活で欠かせないもの、家、電化製品、パソコン、携帯電話、スマートフォンなど、入りますし、私たちの家族、友人、そして、私の健康、命も含まれます。
どんな物もやがては壊れる、生まれた者は必ず死ぬ。聞けば、誰もが納得することですが、自分だけは大丈夫という心はないでしょうか。その心があるので、自分の大事なものが壊れた時、大切な人と別れた時に、大変、苦しみ悲しむのです。

諸行無常

沙羅双樹

トンチで有名な一休和尚の話

トンチで有名な一休和尚にこのような話があります。
まだ一休が、周建(しゅうけん)といっていた七、八歳の時のこと。お師匠様が足利将軍から賜った自慢の茶碗を、和尚の外出中に兄弟子が落として割ってしまった。

兄弟子
「お師匠様の大事な茶碗が──!!」

周建(一休)
「禅僧がそれくらいのことで泣くなよ、情けないなぁ。しかたない。オレが壊したことにしてやるよ」

兄弟子
「本当か!?うまくお師匠様を丸め込んでくれたら、今度の法事で出るオレのまんじゅう、全部やるからな!」

周建は、出るやら出ないやら分からぬまんじゅうと引き換えに茶碗壊しの科人役を引き受けた。
やがて和尚が帰ってきた。「お師匠様、お帰りなさいませ」「おお周建か、今日もいたずらばかりしていたのか」
ニコニコ顔の和尚に「いいえ。今日は一日中、本堂で座禅工夫しておりました」
ぬけぬけと周建は言った。

人の生死これ如何

「本当は寝ていたのでないか」
怪しむ和尚に「いえいえ。一心不乱に座禅しましたが、いまだに解けぬ難問がありまして」と周建。
「何じゃそれは。言ってみよ」
「はい。それは人間すべて死なねばならぬのか、中には死なずにおれるのか、生死これ如何ということでございます」
「うーむ、生死これ如何か。それで周建分かったか」
「それが、まだ……」
「そうか。この際ハッキリ知っておくのだぞ。“生ある者は必ず死す”とお釈迦様も言われている。どんな英雄豪傑でも死は免れぬのじゃ」
「そうでありましたか。これで難問の一つが解けました。ありがとうございます」
「うん?まだ他にあるのか」。和尚が尋ねる。

物の生滅これ如何

「はい。もう一つは、この世の物は必ず壊れるのか、永久に壊れぬ物も中にはあるのか。物の生滅これ如何ということでございます」
「何だ、そんなつまらぬことを考えていたのか。しかと教えておこう。この世の一切の物
は必ずいつか滅する。これを、諸行無常是生滅法とお釈迦様は仰せじゃ」
「でもお師匠様。特別に大切な物を、大事に大事にしていても壊れることがあるのですか」
周建が念を押す。
「そうじゃ。時節到来といってな、時節が来ると必ず壊れるのだ」
「はー、それでは時節到来とは恐ろしいことでございますね」
「恐ろしいものじゃ。仏さまの力でも、どうにもできぬのじゃからのー」と和尚、力説する。

悲しむにあたらぬ時節到来

「これで今日一日苦しんだ難問の全てを分からせていただきました。生まれた者は必ず死ぬ。形ある物は必ず壊れる。すると大切な人の死にも心乱さず、大事な物が壊れても怒り狂わず、時節到来とあきらめるのが悟りというものでしょうか。それにつけても悟られたお師匠様の弟子である私は幸せ者です」
「おだてても何も出ないぞ」と笑う和尚に周建、「いいえ、お師匠様から出されなくても、こちらから出させていただきます。実はかくのごとく時節到来いたしました」
澄まし顔で例の茶碗を差し出した。和尚は驚いたが、今更叱るわけにいかず、
「もう、時節が到来したか」
ただ一言いったという。

人の生死これ如何、生ある者は必ず死す
物の生滅これ如何、形ある物は必ず滅する

時節到来すれば、どんなに大切な物でも壊れる。そうと知れば、驚いたり悲しむにはあたらない。だが、なかなかそう思えないのが私たちです。
これを仏教では、人間は迷っていると教えられています。
迷っている私たちが本当の幸せになれる道を教えられたのがお釈迦様なのです。

 
 
 
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