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お釈迦様物語|雪山童子と羅刹|いろは歌にこめられた深い意味とは

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カテゴリー:お釈迦様物語 タグ:
 

雪山

雪山童子と羅刹

これは遠い昔、雪山の奥深くに、菩提(本当の幸せ)を求めて難行苦行されていた過去世のお釈迦様、雪山童子の物語である。

「人の世の苦しみ、悲しみはどこから来るのか。人は、何のために生きるのか」
胸中に、常にこの問いが鳴り響いている。
深山に一人、崇高なさとりを求めるのも、この最も簡明で奥深い疑問から発している。
「雪山」の名のごとく、年中ここは雪の消えることがない。

厳しい自然に身を置くことがすでに苦行だが、さらに自らの肉体と精神を痛めつけ、日夜、童子は修行に励んでいた。

ある時、瞑想していると、風に乗ってどこからともなく、かすかな声が耳に届いた。空耳か……。人影もない奥山のこと、初めはそう思ったが、

諸行無常(諸行は無常なり)
是生滅法(これ生滅の法なり)

と聞こえた偈文は、心を強くとらえた。よもや、これはさとりの言葉か。口に誦して味わってみる。
「この世に変わらぬものはない。香り高く咲き誇る花もやがて散り、この身もいずれ朽ち果てる。それが浮世の、変わらぬ定めなり」
“何という尊い調べ。間違いない”
求めて止まなかった真理の響きを胸に収め、童子は飛び上がるほどに喜んだ。
“一体どなたが、こんな尊い偈を聞かせてくだされたのか。惜しむらくは、さとりが半分しか言い表されていない。どうにか後の半偈をお聞きしたい”
だが、辺りを見回しても、声の主は分からない。そもそもこの山には、草木や小動物のほかに生き物はいないはず。
“しかし、だれかが言ったに違いない”
断念できぬ童子は岩々を巡り、草むらをかき分け、山中をくまなく探し回る。
身命を賭してさとりを求める身には、後の半偈こそ、聞かずにいられぬ命であった。

一向にそれらしき相手を見いだせぬまま時を費やし、“もうダメか”とあきらめかけた時、ふと見上げた。
高い岩上に、この世の者とは思えぬ、恐ろしい形相の羅刹(らせつ)が立っているではないか。
「まさか、あの鬼が……!?しかし言葉を発するといえば、あの者しかない」
疑念を抱きつつ、恐る恐る童子は、羅刹に近づいていった。

雪山童子と羅刹 いろは歌の意味

深山で難行苦行を続ける雪山童子(過去世のお釈迦様)は、風に乗ってかすかに聞こえた「さとりの偈文」に誘われ、声の主を求めさまよい、岩上に恐ろしい形相の羅刹を見つけた。

“この羅刹が尊いさとりの言葉を発したというのか。まさか……、こんな鬼にあの偈文が説けるはずがない。
だが物を言う者とて、ほかには見当たらぬ。きっと今こそ醜い業報を受けているが、過去に仏さまから尊い教えを受けていたのかもしれぬ。
さすればあとの半偈も、知っているのではないか”

望みをつなぎ、恐る恐る異形の前に手を突いた。
「大士よ、先ほど尊いさとりの半偈を説かれたのはあなたでございましょうか」
ギョロリと童子をにらんだきり、羅刹は無言のまま。
「先ほどの偈は、あなたが説かれたのでしょう。だが、あれでは半偈のみ。もう半分を教えていただけないでしょうか」
再び深く頭を下げた童子の物腰は丁寧だが、譲れぬ気迫がみなぎっている。羅刹は、ようやく口を開いた。
「修行者よ、オレはそんなさとりの偈など知らん。聞いたというのは、おまえの空耳だろう。
だがな、ここ十日ばかり何も食うていないので、何かうわごとのように口走ったかもしれぬ。なにしろ今は、空腹で物を言う力もないのだ」
彼こそ言葉の主。確信した童子は、膝を進めてさらに迫る。
「お願いでございます。空腹でさぞ苦しいでしょうが、どうか後の半偈をお聞かせください。
もしかなえば、生涯あなたの弟子としてお仕えいたします。どうか……どうか」
「見てのとおり、醜い業報を受ける身。弟子などはいらん。それにしてもおまえは自分のことばかり言って、少しもオレのことを考えてはくれないのだな。
わが身さえさとりを得れば、他人はどうなってもよいというのか。オレは先刻から、腹が減って一言もしゃべることはできないと言っておるのだ」
「では大士よ、あなたはどんな物を口にされるのか。何なりとおっしゃってください。私が用意してまいりましょう」
意を察して尋ねると、羅刹は嘲るように言い放つ。
「それは言っても無駄だ。おまえはただ驚き、困るばかりであろうからな」
「生命を懸けてさとりを求める者、どんなことを聞かされても、驚きも、悲しみも、恐れもいたしません。遠慮なく望みをおっしゃってください」
動ずる気色もない様子に、羅刹はゾッとする笑みを浮かべた。
「そんなに望むなら聞かせてやろうか。オレが食らうのは、人参や大根ではない。犬や猫でもない。人間の肉だけだ。しかも、死人の肉はごめん被る。生血滴る人の肉でなければな……」

お釈迦様物語 雪山童子と羅刹 いろは歌の意味

お釈迦様の遠い過去世、雪山童子は、深遠なさとりを求めて修行の日々を送っていた。
ある日、風に乗って「諸行無常是生滅法」と聞こえた「さとりの偈文」に導かれ、異形の羅刹(鬼)と出会う。続きが聞きたい童子は、鬼に手を突いて頼んだ。

羅刹は言う。
「ここ十日ばかり、オレは何も食うていないのだ。だが飢えのあまり、うわごとのように何か口走ったかも知れぬ。しかし、もう話す力がないのだ」
だが、ようやく見つけた言葉の主。童子は懸命に説得する。
「大士よ、では、あなたの召し上がるものを用意いたしましょう」
「それは無理だ。オレは、人参や大根、犬や猫の肉は食わぬ。生き血したたる、生温かい人間の肉しか食わぬのだ──どうだ。驚いたであろう」

必死の懇願に、獲物を弄ぶように言い放った悪鬼を、静かに見つめて童子は尋ねた。
「大士よ、それは私の肉でもよろしいのか」
「それはいいが……そんなことできるはずはなかろう」
意外な申し出にいぶかしげな羅刹を、童子は畳みかける。
「いや、あなたがもし、後の半偈を聞かせてくだされるならば、私は喜んでこの体を差し上げます。どんなに大切にしても五十年か百年で滅びる体、永遠に生きるさとりを得られるなら惜しくはありません。どうかお聞かせください」
再び羅刹に額いた。その時である。

生滅滅已(生滅滅し已わりて)
寂滅為楽(寂滅を楽と為す)

端然として羅刹が、残りの偈文を説いたのだ。
同時に、童子の一切の迷雲は晴れわたり、ついにさとりは開かれた。
「ああ……わが出世の本懐、成就せり……」
かつて体験したことのない歓喜にむせぶ童子は、後の衆生のために偈文を木石に刻みつけたい、と願い出る。
丁寧に一文字一文字、彫り終えると、感慨深げに偈文を眺め、しばしたたずんでから、やがて身を翻して近くの樹に登ると、
「いざ、参らん」。
サラリと羅刹めがけ、投身した。その一瞬──。
羅刹が変じて現れたのは仏法を守護する帝釈天(たいしゃくてん)。
童子を抱き留めて地上に下ろし、敬礼してこう褒めたたえた。
「善いかな、善いかな。あなたこそ真の菩薩である。その決心があってこそ仏覚を開くことができるのです」

帝釈天は羅刹となり、雪山童子の求道心を試さんとしたのだった。

雪山童子と羅刹 いろは歌の意味

いろは歌

雪山童子が命を懸けた「偈文」のこころは、有名な「いろは歌」に歌われています。

諸行無常 (諸行は無常なり)
是生滅法 (これ生滅の法なり)

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ  つねならむ

生滅滅已 (生滅滅し已わりて)
寂滅為楽 (寂滅を楽と為す)

うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす

いろは歌

いろは歌の意味

「いろは歌」は、すべての仮名を一文字ずつ使って、しかも意味のある歌になっているので、昔は、仮名の勉強に使われていました。

いろはにほへと ちりぬるを
(色は匂えど 散りぬるを)

わかよたれそ  つねならむ
(わが世だれぞ 常ならむ)

うゐのおくやま けふこえて
(有為の奥山 今日越えて)

あさきゆめみし ゑひもせす
(浅き夢見じ 酔いもせず)

色は匂えど 散りぬるを
(咲き誇る花も、やがては散りゆく)

わが世だれぞ 常ならむ
(世に常なるものなどありはしない)

有為の奥山 今日越えて
(苦しみ迷いの奥山を今、乗り越え)

浅き夢見じ 酔いもせず
(迷夢に酔うことのない世界に出た)

一切の滅びる中に、滅びない本当の幸せが、仏教には教えられているのです。

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あさだ よしあき

ブログ作成のお手伝いをしています「あさだよしあき」です。 東京大学在学中、稲盛和夫さんの本をきっかけに、仏教を学ぶようになりました。大学院修了後、社会の荒波の激しい中、心にぶれない軸ができ、どうすれば、周りの人に喜んでもらえるかを中心に、毎日、心豊かな生活を送ることができています。 仕事のかたわら、わかりやすい仏教講座に、年間100回、立ってきました。現在は、1から仏教を学びたい人の為に、わかりやすい教材作成に取り組み、20年以上、学んできたことを、伝えたいと思っています。 ちょっとした関心から、奥深い仏教の世界を垣間見てほしいと思います。
 
 
 
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